グランプリが終わった翌週に発売される「F1速報」も、早いもので最終戦となりました。シーズンラストとなる「F1速報アブダビGP号」の見どころは!? 早速見ていきましょう!
「いつか大好きなF1の世界で働いてみたい!」と夢見るF1女子、多いのではないでしょうか。特集では、F1界で働く女性スタッフをフォーカス。F1最前線で働くウーマンパワーを徹底分析しています。
■F1女子力
古くはドライバーから始まった女性のF1界進出。今では広報、マネージメント、メカニック、エンジニア、ケータリング、フィジオなど、その職業は多岐にわたっています。
「F1女子力」では女性のF1界進出の歴史を振りかえっているのですが、中でも興味深かったのがF1の世界で広報活動の重要性を浸透させた第一人者、アエニス・カイエの話でした。
83年にマールボロをブランドのひとつに持つフィリップ・モリス・ヨーロッパのコミュニケーション・ブレス・オブ・スポーツ・デパートメントに配属されたカイエ。本誌によると、当時はまだチームが独自に広報を置かない時代で、チームのプレスリリースなどもなかったのだそう。マクラーレンとフェラーリにスポンサーしていただけでなく、18人のドライバーもサポートしていたマールボロは、世界各国にチームとドライバーの戦績をレポートしていたのだそうなのですが、それをコントロールしていたのがカイエだったといいます。
「私がこの世界で最初に行った最も大きな仕事は、ニキ(ラウダ)の引退発表会見でした。85年のオーストリアGPで突然、『引退を発表するから、記者会見の席を設けてくれ』とニキに頼まれた私は、『ロン(デニス)には話しているの?』とたずねると、『なんで自分の引退会見にロンが必要なんだ。今、私に必要なのは、広報の君だよ』と言われました。その時に私は悟ったのです。『この世界で成功するために重要なことは、男性か女性かではなく、仕事ができるかどうかだ』と」(アエニス・カイエ)
■私がF1で戦う理由
F1界には様々な職種がありますが、詳しい仕事内容って意外と知らないですよね。こちらのページでは、モータースポーツの最前線で実際に活躍している5名の女性のインタビューを掲載。仕事内容や経歴はもちろん、これからF1を目指す人に向けてありがたいアドバイスもありました。
「モータースポーツに興味を持つようになったのは父親の影響で、小さい頃からテレビでレースを見ていたから。大学に進学する頃には、『将来、F1で仕事がしたい』という明確な目標があって、エンジニアリングを専攻しました。そして、卒業を迎えようとしていた時、マクラーレンがエンジニアを募集していたので迷わず応募し、無事入社しました。この仕事をしていてやり甲斐を感じるのは、競争がとても激しいこと。一流のエンジニアとの作業はプレッシャーがあると同時に、やる気もみなぎらせてくれます。逆に、大変だと感じる時は、拘束時間が長いこと、フライアウェイ戦での時差ボケですね。私は将来エンジニアになるため、今はトラックサイドスペアパーツコーディネーターとして、レースやF1のことをいろいろ学んでいます。だから、F1を目指す女の子にアドバイスするような立場じゃないけど、ひとつだけ言えるとすれば、最終的な判断は他人ではなく自分で決めること。それは女性に限らず、男性も同じです。だって、自分の道は自分で切り開くしかないんだから」(マクラーレン トラックサイドスペアパーツコーディネーター/サラ・レーシー-スミス)
レストランのシェフ、ウェイトレス、キャビンアテンダント、ホテルのレセプションの経験を経て現在ザウバーのフード&ビバレッジ・チーフマネージャーを務めているカトリン・ステイマン・キップフェルはケータリング業ならではの苦労を語っています。
「ケータリングの仕事はレースの知識がまったくなくてもできるので、レース経験やエンジニアとしての勉強はしていないけど、F1で仕事がしたいという女性にはぴったりの職業かもしれません。実際、私以外にも多くの女性が働いています。ただし、ケータリングの労働時間は長いということを覚悟しておくこと。チームスタッフがサーキット入りする前にやってきて、彼らに遅い夕食を出した後に掃除してからホテルに帰るためです。金曜日はいつも朝6時にサーキットにきて、夜11時に帰ります。私たちにカーフューはないんですよ(笑)」
この他にも、グランプリを華やかに彩るゲストやドライバーを支える妻&彼女たちを紹介する「F1女子図鑑2017」も面白かったですよ!
男女問わずF1界で働くことを目標に頑張っている方に、ぜひ読んでもらいたい特集です。