東京モーターショーに出展される、バンとSUVを融合させるという手法で仕立てられたコンセプトカー「Tj CRUISER(Tjクルーザー)」は、新しいジャンルを提案するモデル。
「Tj CRUISER」という車名からすると、トヨタFJクルーザーの後継もしくは関連性を示唆するネーミングに思えます。
車名についてトヨタは、アクティブに「使い倒せる」という意味が込められたTOOL-BOXの「T」と、クルマと様々な場所に出かける楽しさを意味するJoyの「j」を組み合わせ、さらに同社がSUVに伝統的に使用してきた「CRUISER」を用いて力強さを表現したもの、としています。
次世代のTNGAプラットフォームの採用を想定しているという「Tj CRUISER」は、2Lクラスのエンジン+ハイブリッドシステム、前輪駆動と4WDの採用を想定。
車内は、助手席側をフルフラットにすることが可能で、ロングサーフボードや自転車など、約3メートルもの大きな荷物を楽に積載できるそう。オン/オフを問わず、新たなカーライフスタイルを送る人を想定しているそうです。
どことなく小型犬の「パグ」に似た愛らしい? インパクト大のフロントマスクが目を惹きます。
トヨタは、VAN(バン)のようなユーティリティの高さを感じられるスクエアなキャビンに、SUVらしい大径タイヤによるしっかりとした前後フェンダー、そして力強いフロントビューを融合させたと説明していますが、確かに今まで見たことのないようなデザインになっています。
技術面では、ボンネットとルーフ、フェンダーなどには無造作に物を置いても傷や汚れがつきにくいケアフリー素材(強化塗装)が採用されているそうです。
インパネは、センターコンソールが配置されたフロアシフトと一見、オーソドックスな配置に思えますが、ワイドなセンターメーターは、エスティマやシトロエンC4ピカソのようなルーミーな印象をもたらしています。
バンとSUVのクロスオーバーだけに、室内、荷室は広大なのが写真からも伝わってきます。助手席側の前後シートがフルフラットとなり、サーフィンのロングボードなど、約3mの長尺物の積載が可能。
さらに、シート裏側やデッキボードなどに多数の固縛ポイントを設け、小さな荷物から長尺物まで自由に固定できるのも特徴です。運転席側のリヤシートは、座面を前に立てることで、買い物袋などの荷物を置けるスペースに早変わりします。
また、広大なバックドアの開口部により、自転車など大きな荷物の出し入れを容易にできるほか、横からの大きな荷物の出し入れや、子どもからお年寄りまで楽に乗り降りできる大開口スライドドアが採用されています。
剛性確保や重量増などがネックになるのかコンセプトカーなのにピラーレスは採用されていません。ただし、ボンネットは前ヒンジ式で、このあたりはコンセプトカーらしさを感じさせます。
(塚田勝弘)