【東京モーターショー2017】日産は「身近で頼りになるパートナー」となり得るか?

今年で45回目を迎える東京モーターショー。今週金曜日、27日から始まる一般公開に先駆けて、報道関係者向けの「プレスデイ」が今日から始まりました。あいにくの空模様でしたが、開場の午前8時には東京ビッグサイトの入り口に各国から集まったマスコミ関係者が長蛇の列を作っていました。今日と明日の二日間、記者会見やコンセプトカーなどの発表が出展各社によって行われます。

午前10時45分から開催された日産自動車のプレスカンファレンスでは、電気自動車(EV)の販売をグローバルに担当しているダニエル・スキラッチ副社長が登壇。「ニッサン インテリジェント モビリティ」の考え方を具現化したコンセプトカー「ニッサンIMx」のワールドプレミア(世界初披露)が行われました。

「ニッサンIMx」は、現在の「プロパイロット」をさらに進化させ、ドライバーが運転操作を一切行わない自動運転を行う「プロパイロットドライブ(PD)モード」を搭載。自律走行中はステアリングが格納され、シートが深くリクライニングする事で乗員全員がリラックスして移動できることを想定していそうです。また、高出力モーター2基を前後に搭載して320kW/700Nmを発生する一方、エネルギー密度を高めたバッテリーによって一充電当たりの走行距離を600km以上とする事を可能にしているとの発表がありました。

通常は、派手な音楽や華やかなビジュアルで構成した「オープニング映像」で始まるモーターショーのプレスカンファレンス。今回の日産は、巨大スクリーンやクルマに当てる照明も落とした状態でスキラッチ副社長がステージに登場。今回の完成検査に関わる問題に関する「sincere apology (= 誠に申し訳ございません)」、という謝罪の言葉で始まる異例の会見でした。現在、第三者も含めたチームで細かい検証作業を行い、全社を挙げて対策に取り組んでいるとのコメントがありました。

スピーチの後半には、電気自動車のF1とも言われる「フォーミュラE世界選手権」への参戦も発表されました。2018年12月に開幕する「第5シーズン」(または「2018/2019シーズン」)から、日産のEVテクノロジーを搭載したレーシングマシンが世界を相手に戦う事になります。日産の技術が世界を舞台に戦う姿を見られるのは久しぶりの事です。それまでには、今回の問題を解決し、「クルマと過ごすあなたの生活をもっと充実したものに変える、身近で頼りになるパートナー」(日産自動車プレスリリースより)足りえる自動車メーカーに進化しているかどうか、注目です。

(Toru Ishikawa)