ジャガーEタイプに影響を受けたスポーツカーは数多く、エピソードとして残っている初代フェアレディZをはじめ、影響を受けたという言い方(公言こそされていない)でいえば、トヨタ2000GTなどもそう感じさせます。
ジャガー・ランドローバーが初開催した「Tech Fest 2017」において「E-TYPE ZERO」が初公開されました。EタイプをEV化した同コンセプトカーは、Eタイプの誕生の地からほど近いコベントリーにあるジャガー・ランドローバー・クラシック・ワークスで製作されました。
「E-TYPE ZERO」に搭載されるのは、220kWの電動パワートレイン。同モデルのために特別に開発されたそうで、リチウムイオンバッテリー・パックはオリジナルのEタイプに搭載されていた6気筒のXKエンジンとサイズも重量もほぼ同じというから驚かされます。
電動パワートレインはモーター(および減速ギア)もバッテリー・パックの真後ろに置かれ、E-タイプのギアボックスと同じ配置になるようにレイアウトされています。もちろん、新しいプロペラシャフトが用意され、キャリーオーバーされたディファレンシャルとファイナルドライブに電気を送る構造になっていて、総重量はオリジナルのEタイプよりも46kg軽くなっているそう。
EV化された新生Eタイプの0-100km/h(62mph)加速は5.5秒で、オリジナルの「E-TYPE Series 1」と比較して約1秒速くなっているとのことです。
なお、現行のガソリンエンジンやトランスミッションと同じの重量、寸法を持つ電動パワートレインが採用されているため、サスペンションやブレーキなどの車体の基本構造を変更する必要がないという利点もあり、電動パワートレインの統合と認証取得が容易になるそう。
さらに、前後重量配分も変わらず、オリジナルのEタイプのような走りとハンドリング、乗り心地、ブレーキングを実現しているそうですから一度乗ってみたいものです。
(塚田勝弘)