現存数「1」のイーレスポーツなど、コレクションに所蔵される「希少な」BMW車たち【堺市BMWコレクション】

4月22日・23日に開催された、大阪府堺市が所有する優美なスタイルのBMW車を展示する「堺市ヒストリックカーコレクション」(堺市BMWコレクション)の見学会

今回の公開イベントで公開されたコレクション、どれも希少なBMW車ばかりですが、そのなかでも特に希少な車輌を紹介します。

まず、BMWが四輪車市場に進出するマイルストーンとなった「BMW Dixi3/15 DA-2」。

「デキシィー」と呼ばれているこの車は1928年にBMWがデキシィー社とアイゼナッハ自動車工場を買収して、BMWの航空機技術やモーターサイクル技術を注入して製造されたBMW初の四輪車です。

デキシィーを元に製造されたのが「BMW イーレスポーツ」です。

このイーレスポーツは、デキシィーを元にイーレ社が2シーターのスポーツモデルに仕上げたスタイリッシュな車です。1928年式イーレスポーツの現存数は1台のみ。ここ「堺市BMWコレクション」でしか見ることができない超希少車です。

「堺市BMWコレクション」の車輌は美しくレストアされていますが、未レストア状態で保管されているのが1955年式の「BMW 501 リムジン」です。

この車は、BMW社が戦後初めて生産したモデルで、流れるようなボディラインにマッチしたホイールアーチの曲線が特徴のツーリングカー。優雅なスタイルから「バロック・エンジェル」と呼ばれました。

この車の現存数は501シリーズ全体でも約3000台と推定され、リムジン車に限れば、もっと希少価値のある車両であることが分かります。

1963年式「BMW 700 S Cab(カブリオレ)」と1965年式「BMW 700 LSC」はクーペとカブリオレを合わせても、それぞれ約500台の現存台数しか残っていない、BMW700シリーズ の貴重なコレクションになっています。

このように堺市BMWコレクションには、BMWの歴史を語るのに欠かせない貴重なモデルが所蔵されています。

(山内 博)