国土交通省によると、75歳以上の高齢ドライバーによる加害死亡事故は、速度が30km/h以下で起きているケースが約半数(46%)を占めており、75歳未満の運転者に比べて約 1.7 倍多く発生しているそうです。
要因別では、「操作不適」によるものが最も多く、その中でブレーキ・アクセルの踏み間違いによる死亡事故が約7.4%を占めているそうで、75歳未満の運転者による加害死亡事故に比べて約10倍の状況とか。
こうした状況から、高齢者の場合は走行速度は控え気味ではあるものの、運転時の「認知」、「判断」、「操作」のサイクルにおいて、認知遅れや、それに伴う誤判断、誤操作を起こしやすい状況が浮かび上がってきます。
また、高齢者ほど運転経験の長さから運転に自信を持っているようで、今後もなるべく長く運転を続けたいという思いが強いそうです。
安倍総理はこうした状況を踏まえ、昨年11月に石井国土交通大臣らを交え、「高齢運転者による交通事故防止対策に関する関係閣僚会議」を開催。
その中で総理は、今後も高齢ドライバーの一層の増加が見込まれることから、取り得る対策を早急に講じ、喫緊の課題に一丸となって取り組むことで、事故防止に向けた対策を積極的に講じるよう指示しました。
これを受けて政府は今年1月、「安全運転サポート車」の普及啓発に関する関係省庁副大臣等会議を設置。
一方、高齢者に限らず、一般的に交通事故の原因の9割が人的要因とされており、「認知」、「判断」、「操作」を電子化することで運転精度が向上、交通事故を削減できるとして期待されています。
「自動ブレーキ」や「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」はその有効な手段と考えられており、標準装備化することが非常に重要となっています。