東芝は、二次電池(充電池)「SCiB」の新製品として追加した10Ahセルが、スズキの新型「ワゴンR」 のマイルドハイブリッドシステムに採用されました。
「SCiB」がワゴンRのマイルドハイブリッドシステムのバッテリーに採用された理由は、10Ahセルの高入出力性能に加え、SCiBの持つ長寿命性能、安全性、品質に対する信頼性が評価されたものです。新型「ワゴンR」では、従来システムの約3倍の容量の電池を採用し、電装品への供給や加速時のモータアシストへの利用などにより、軽ワゴンNo.1の低燃費33.4km/L(JC08モード)に貢献しています。
二次電池「SCiB」10Ahセルは、現行2.9Ahセルを大型化したもので、容量・入出力が3倍以上に高められています。東芝では、10Ahセルは急峻なエネルギーの入出力が必要な車両のアイドリングストップシステムや鉄道・産業機器の回生電力利用などに最適としています。
SCiBセルは、負極にチタン酸リチウムを採用することにより、急速充電性能、長寿命性能、低温下でも短絡や劣化の原因となるリチウム金属が析出しにくい低温性能、高い安全性能などの特長を持ち、車載電池としての普及が期待されています。
経営危機に直面している東芝は、今後も二次電池SCiBを活用する製品群を積極的に開発し、国内外の事業者向けに展開することを目指しており、車載電池も有望な分野のひとつといえます。
(山内 博・画像:東芝)