物価の変化を考えたことがありますか。50年前から比べると物価はどんどん高くなっています。例えば総務省統計局によると中華そばは1966年に平均して64円だったものが、現在では594円(2010年)となっています。一方、厚生労働省などの統計による大卒初任給は2.41万円(1965年)から20.02万円(2013年)となっています。
また1970年代には、1970年のマスキー法の成立による、排ガス規制の徹底。そして1973年と1979年の2度にわたるオイルショックに起因した、狂乱物価、インフレーションといった経済危機が市場に大打撃を与えました。それらが価格の高騰をもたらしました。
では、クルマはどうでしょう? 大衆車の代表格、トヨタ・カローラで比べてみます。カローラは1966年に初代が発表され、その時の最もベーシックなモデルの価格が43.2万円でした。そして11代目の現在では146.7万円と、なんと100万円も高くなっています。しかし、単純に比率で比較すると中華そばの9.3倍に対してカローラは3.4倍、大卒初任給は8.3倍となります。
収入との対比で言えば50年前と比べて、中華そばの価格はそれほど変わらない感覚なのですが、カローラは安く感じている、と言えることになります。初代カローラは中華そば並みに値上がりして9.3倍になっていたとすると、現代では402万円くらいになっている感覚です。現代の日本市場でその価格帯のクルマを探すと、BMW318iセダン(409万円)がかなり近いようです。バブル期にBMWを揶揄して「六本木カローラ」などと言っていましたが、実はカローラは1966年の初代がBMW並みだった!と今となっては言えるかも知れません。
さらに大卒初任給に対するカローラの価格は、初代カローラは17.9ヶ月分であるのに対して、現在の11代目カローラでは7.3か月分になっています。面白いのは最も買いやすくなっている年代は、1995年に発表された8代目で、大卒初任給19.42万円に対して91.0万円なので、4.7か月分となり、歴代カローラで最も安いと感じられる時代だったといえるようです。
これは、バブル期までに大卒初任給がぐっと上がったものの下がることはなく、バブル崩壊後のその頃は高いクルマはもう売れない、というイメージが重なった時期だったからかも知れません。
価格だけを見ると、単純に100万円高くなったということになりますが、時代背景を照らし合わせてみてみると、少し違う世界が見えてくるようですね。
(文:モーターファンアーカイブ/松永大演)
【関連リンク】
カローラ生誕50年記念フェスが、10/22(土)にMEGA WEBで開催されます。
日時:10月22日(土)11:00〜16:00
場所:MEGA WEB トヨタ シティショウケース1F・ライドワン
入場料:無料
カローラに縁の深いゲストのトークショーや歴代カローラの実車展示など、カローラファンが楽しめるイベントを実施。詳しくは、MEGA WEBのイベント紹介ページをご覧下さい。
クリッカーではカローラのお誕生日を祝うべく、50周年にちなんだカローラ秘話「カローラ50のストーリー」を紹介しながら、毎日カウントダウンを行なってお祝いする「Corolla誕生50周年企画」をスタートしています。
特別企画やカローラ誕生イベントなども順次ご案内していきますので、”カローラ生誕50周年記念企画”バナーから毎日確認してくださいね!!
そして「カローラと私」では、読者からの投稿をお待ちしています。投稿をお願いしたいのは、カローラと一緒の写真やカローラについての思い出。こちらも奮って投稿してください。
そのほか、歴代カローラの人気投票も実施中です。ぜひご参加下さい。