7人乗りにも最新のAWDを採用。スバルの四駆は雪道で頼りになり過ぎる!

いまや生産台数の94%が四輪駆動車という富士重工業のスバル・ブランド。その生産母数にはBRZなどのFRも含まれていることを考えると、4ドア以上の乗用車、SUVの99%が四輪駆動といえるほどのようです。

すなわち、乗用系、SUV問わずに四輪駆動~スバル風に表現すれば『シンメトリカルAWD』~であることが、同社のアイデンティティであり、技術的な特徴というわけです。

そんなスバルのオールラインナップAWDを雪上でイッキ乗りする機会に恵まれました。

スバルのシンメトリカルAWDには4種類の方式があります。今回、試乗できたのは次の3方式でした。

ひとつは、油圧多板クラッチを使い、前後トルク配分60:40を基本としている「アクティブトルクスプリット」タイプ。

そして、ハイパワーターボ車に採用されているプラネタリーギアをセンターデフに用いて前後トルク配分を45:55として、電子制御LSDを組みわせた「VTD-AWD」。

実質的にWRX STI専用といえる、プラネタリーギアのセンターデフと電磁式LSDを使い、前後トルク配分41:59とした「DCCD(ドライバーズコントロールセンターデフ)」となります。

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日常的には雪道を走らない自分にとって、雪上のクローズドコースで3つの方式を試した際に、もっとも乗りやすく感じたのはFF的な乗り味を基本に、後輪による安定性やヨーコントロールをアシストする印象の「アクティブトルクスプリット」タイプでした。

久しぶりの雪道での公道試乗においてチョイスしたのは、その「アクティブトルクスプリット」AWDシステムを積む、2.5リッターエンジンのエクシーガ・クロスオーバー7です。

現在のスバル・ラインナップにおいて唯一の3列シートのSUVは、またメカニズム的にも5速ATを搭載するなど古参といえますが、このクルマが、シンメトリカルAWDの基本性能を感じさせてくれるであろうと考えてのチョイスでもあります。とはいえ、AWD制御は最新世代で、車両情報を制御に組み込むタイプが搭載されています。

【訂正】
初出時、5速ATと記しておりますが、正しくは「リニアトロニック(CVT)」となります。今後、このような間違いがないよう、十分に配慮いたします。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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