いま、日本の自動車業界でもっとも権威あるイヤーカー選びと(ボクのまわりのごく一部で)言われているらしい「クリッカー・オブ・ザ・イヤー(通称CCOTY……なのか?)」の選考委員を務めました。
ボクが2015年を代表するクルマに選んだのはトヨタ・ミライ。
理由は何を隠そう、業界の大先輩である松下宏さんや国沢光宏さんが身銭を切って購入したからです。彼らが愛車に選んだクルマならイヤーカーとしても間違いないはず……。だから最高得点を付けました。
スイマセン嘘つきました。理由はそういうことではありません。
ミライの何が凄いかって、2015年に発売したほかのクルマとは明らかに違うことです。なにがって燃料がですよ。ガソリンじゃなくて、軽油でもなくて、水素ですからね。これは画期的なこと。もうそれだけでほかのクルマとは大きな差を付けざるを得ませんね、CCOTYでは。
もちろんこれまでにも限られた人向けに販売された水素自動車もありましたが、ミライはそれらとは全然違う。だってリースじゃなくて一般販売だから事実上誰でも購入できるし、値段もちょっと前までは「億」とか「数千万円」と言われていたのに700万円ちょっとですからね。これを歴史を変えた一台と言わず、どれを選べと言うのでですか?
僕のCCOTYのイヤーカー選びの基準は、何年後かに振り返ったときに「ああ、この年にあのクルマが登場したよね」とメモリアル的な立ち位置になっていること。だから2015年はミライなんです。