新型エルフには、クロスレシオのトランスミッションが搭載されています。
クロスレシオのトランスミッションと言えば、スポーツカーやレーシングカーに搭載されるミッションとして知られています。パワーバンドの狭いエンジンでもギヤ比の段差を少なくして多段化することで、各段の繋がりを良くする常套手段。トルクの出る美味しい回転域を維持できるのが特徴です。
実用燃費性能のさらなる向上を目指した新型エルフでは6速トランスミッションの3速と4速のギヤ比を若干低めに変更。特に2速3速間をクロス化したのです。
このタイプのトラックでは2速発進するのが普通です。発進後最初のギヤチェンジで3速にシフトしますが、そのギヤ比ギャップを少なくしたのです。
もちろんその狙いはスポーティーな走りではなく、省燃費運転に促進にあります。2速発進で引っ張らず、早め早めのシフトアップでも十分トルク負けすることなく繋がり、スムーズに加速できるのです。その結果が、アクセルの開けすぎをセーブさせるというわけなのです。
(近田 茂)