国内自動車生産&販売、2011年4月の「3つの大異変」

東日本大震災後の様々な混乱の中、国内メーカーはまだまだフル生産体制まで戻っていない昨今。

2011年4月の国内生産&国内販売実績が各社より発表されました。

とにかく見慣れないデータのオンパレード、メーカー順位も普段とは大きく異なります。

まさに”2011年4月の変”というわけで、3つのポイントをピックアップ。

まず、ひとつめ。

国内生産台数ランキングのトップ交代に驚きます。

トヨタ以外が一位になることなど想像もできないわけですが、なんとトップに輝いたのはスズキ。生産台数は58398台(前年同月比68.9%)で、トヨタの53823台(同21.6%)を大きく上回りました。

そしてふたつめ、ランキング最下位に驚きます。

こちらはホンダ。生産台数14168台は前年同月比19.0%という、非常時といってもありえないもの。さらにホンダは販売台数が27086台(同53.7%)と、生産台数の倍近いというヘンな状況だったりもします。

3番目の変は、この状況下で伸びているメーカーがあること。

それがスバル(富士重工)の国内販売。全体としては8724台で前年同月比82.1%と落ち込んでいますが、ここから軽自動車を抜くと3806台で前年同月比113.1%と各社の国内実績のなかで唯一のプラス。メーカーによれば震災前の受注分を納車したためということ。

じつはスズキとスバルは国内生産の前年同月比でみても1、2位となっています。それだけ生産再開が上手くいったということで、こうしたイイ結果につながっているのも納得なのではあります。けっして偶然というわけではありません。

とはいえ、前年同月比で20%前後というトヨタ、ホンダは来年平常時並に戻せば、前年同月比500%という驚異的な数字が見れるわけです。

”2012年4月の変”を期待しましょう。

 

国内生産台数(前年同月比)

スズキ 58398(68.9%)

トヨタ 53823(21.6%)

日産 44193(51.3%)

マツダ 35313(50.3%)

三菱 27481(68.3%)

スバル 25391(62.4)

ダイハツ 20578(37.4%)

ホンダ 14168(19.0%)

 

 

国内販売台数(前年同月比)

トヨタ 37332(32.0%)

スズキ 28637(57.3%)

ホンダ 27086(53.7%)

ダイハツ 24467(55.4%)

日産 24068(62.5%)

マツダ 9761(66.9%)

スバル 8724(82.1%)

三菱 8700(81.1%)

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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