20代の若者たちがチームを組み、計13チームが最優秀賞の賞金20万円をかけ挑んだ『Motors Hack Weekend』が12月6、7日に開催されました。
この大会は、近年とくに注目を集める「IoT(Internet of Things/モノのインターネット)市場」と「クルマ」を融合させた独自のプロダクトやWEBサービスでの企業案を提案するもので、コンセプトやその事業内容を(1)新規性、(2)実現性、(3)事業性、(4)エンタメ性、(5)特別評価(チームの本気度や熱意を含めた自由な評価)で審査するものです。
大会には特別協賛のトヨタをはじめ、日本マイクロソフト、バンダイナムコゲームス、トーマツベンチャーサポートが協賛。この大会にトヨタが協賛した理由について審査委員長として大会に参加したトヨタ・広報部メディアリレーション室の本多誠之氏(写真・左端)は「若者たちがクルマについて考える機会は大切だと考え、協力させていただくことにしました。若者のクルマ離れがさけばれていますが、我々からするとメーカーのほうが『若者離れ』したとも思っているため若者らしい発想を期待しています」と語ってくれました。
また審査委員は本多氏ほか、モータージャーナリストの河口まなぶ氏や日本マイクロソフト・エマージングテクノロジー推進部部長の砂金信一郎氏、バンダイナムコゲームス・社長室・新規事業部チーフコンサルタントの岩崎覚史氏をはじめとするそうそうたるメンツに混じり、我がクリッカー小林編集長も審査員に加わっています。
本人いわく「若者だからといって甘やかすことなく、ガツガツと批評する。辛口の意見で参加者たちを意気消沈させることもいとわない」と見た目に似合わない意気込みで大会にのぞむことを表明していました。
この大会で最優秀賞を獲得したチームには賞金20万円が授与されるとともに来年1月に開催される『東京オートサロン』にてデモ&表彰式が行われることで、関東だけではなく関西からも複数のチームが参加。
2日間、それぞれのチームが死闘を繰り広げた結果、最優秀賞に輝いたのは友だちなどとドライブした車内での思い出をクラウドなどに残しいつでも振り返ることができる『CARTALK』を提案した、“Clip”チーム。
ドライブ中の何気ない会話がやけに印象に残る、と運転の楽しさだけでなくクルマがコミュニケーションツールであることを強くアピールした結果、審査員から大きな支持を集めたのです。
初日の中間発表では、いまいちの評価だった彼らだけに最優秀賞に輝いた瞬間はメンバーだれもが「信じられない!」と驚きと嬉しさいっぱいの表情を見せてくれました。
そしてエンタメ性を重視した「クリッカー賞」に輝いたのは関西から参戦した“チーム五カ年計画”。
彼らが提案した『Cool Drive』は、内気な草食系男子をメインターゲットとしたドライブデートの支援デバイスで、他チームの女子メンバーからは酷評されたもののドライブデートの思い出いっぱいで、しかもデートマニュアル本世代の小林編集長をはじめとした審査員から高い評価を得た企画案でした。
受賞の理由を小林編集長は「ドライブデートというキーワードはクリッカーがとくに重視しているもの。ぜひ製品を実現化してほしいと思ったから」とコメントしました。
本多誠之・審査委員長は「この大会で提案された起業案には大きな刺激を受けました。我々も斬新なアイディアを考えていきたいですね」と大会を振り返りかえりましたが、本多氏だけでなく大会を通して多くの審査員や参加者が刺激を受けた大会となりました。
【テヅカ・ツヨシ】