商用EVバン日産e-NV200がスペインで生産スタート

昨年の東京モーターショーでも披露されたe-NV200は、今年中の日本導入がアナウンスされている日産第2のEV。スペインのバルセロナ工場での生産をすでに開始し、日本を含む約20か国へまず輸出スタートし、リーフに続くグローバルモデルとして育てて行く構えです。なお、バルセロナ市ではタクシー用途として導入するそうです。

e-nv200-01外観は見た目で分かるように、商用多目的バンのNV200バネットですが、リーフをベースとしたドライブトレーンを活用。

モーターショーで披露されたコンセプトモデルを見る限り、ヘッドライトやグリルレスのフロントマスク、ホイールなどがEVらしいデザインと未来感を備えていましたが、欧州仕様ではヘッドライトやグリルなどはコンセプトカーと似ていますが、ホイールなどは市販車らしいデザインになっています。

e_nv200_02EVというと航続可能距離の短さがネックとされますが、ルート配送や決まった地域を回る宅配車であれば、それほど長くなくても問題は少ないはず。

航続可能距離は欧州の「NEDC(New European Driving Cycle)」で170km、同クラスの商用バンを使っているユーザーの49%が1日に走行する平均距離の100kmよりも長い距離を確保しています。最高速度は120km/h。

バッテリーは夜間に家庭用電源(16A/単相/3.3kW)から充電することが可能で、32A /6.6kWの電源を利用すると、充電時間を4時間に短縮することができます。

また、チャデモ専用の50kW直流急速充電器を使うと、30分で80%の充電が可能。ちなみに、日本の急速充電器であるチャデモですが、ヨーロッパ各地にもチャデモ急速充電器が1000基以上設置されており、さらに、多くの企業が専用の急速充電設備を自社倉庫や事務所に用意しているとのことで、欧州での拡販にもある程度下地が整っているようです。

商用バンに求められる肝心の積載性ですが、荷室スペースは4.2立法メートルあり、欧州で標準的なユーロパレットを2台乗せられるとのこと。

日本では赤帽や郵便車などでお馴染みの軽自動車クラスや、その上の小さめの宅配車が住宅地や商店街などでの配送で活躍していますが、e-NV200であれば三菱のEVバンであるミニキャブ・ミーブよりも大きなサイズが欲しい、というニーズにも応えられます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる