現行レガシィが大きくラグジュアリーになって、米国市場へ海外留学してから早幾年。日本のツーリングワゴン市場は、火が消えたようになってしまいました。でも残念に思っていたのは、スバリストをはじめとする消費者だけではありません。実は、当のスバル開発陣もやるせなさを感じていたのです。
今回の新型レヴォーグは、名前こそレガシィを名乗りませんが、紛れもなく歴代レガシィの血統を受け継ぐツーリングワゴンとして企画・開発されました。そこでここではスバル開発陣が、新型レヴォーグに込めた熱く燃える開発魂を紹介したいと思います。
■新型レヴォーグは、日本のスバリストのために開発した!
まず最初に、新型レヴォーグ開発責任者・熊谷PGMのコメントからして「日本市場を見捨てるわけにはいかない。レガシィオーナーの気持ちを鷲掴みにする。そうした想いでつくり上げました」と熱いデス! 目指す性能でも「スポーツカーにワゴンの積載性能、それが革新です(小林CD)」「パフォーマンスのベンチマークは、欧州プレミアムワゴンです(香川主査)」のコメントどおり、熱く燃える情熱を感じます。
■パワートレーンは走り型と燃費型の2種類を開発
直噴ターボは2種類を用意。レガシィ譲りの2Lでは「2.0Lターボは高回転指向です(小池社員」、またダウンサイジングで燃費改善を目指した1.6Lでは「レギュラーガソリンの直噴ターボに注目(佐々木主査)」と特性を明確化。組み合わせるリニアトロニックも、それぞれ専用チューンが施されています。高剛性と荷室を両立したボディも「高い目標を両立する言い訳不用のボディです(白主査)」と気合い入っています。
■更に進化した独創の「アイサイトver.3」
両眼カメラ式の安全運転支援システム「アイサイト」も、ver.3に進化。「先を見据えて最新の機能を盛り込んだユニットです(碓井主査)」とあるとおり、視野と望遠で約40%も向上。またカラー画像化により、ブレーキランプも視認可能となりました。また「新しいカメラの信頼性は80万kmのテストで確認」という途方もないテスト実績を聞けば、進化したアイサイトver.3の信頼性と高性能ぶりが実感できると思います。
実のところ新型レヴォーグは、歴代レガシィと比べると随分変わっています。NAエンジンはダウンサイジングターボに代わり、MTも廃止。またボディ幅も拡大して、1.8mに近づいてきました。それでも多くの人が、新型レヴォーグを見てこう思うはずです。「お帰り、新世代のレガシィツーリングワゴン」と。
(拓波幸としひろ)