日産のサプライズ・コンセプトカー「IDx」の「FR」らしさは?【東京モーターショー2013】

日産が東京モーターショー2013にて、事前情報なしのサプライズで登場させたコンセプトカーが、「IDx(アイディーエックス)」です。「アイディーエックス フリーフロー」と「アイディーエックス ニスモ」という2つの個性がワールドプレミアされ、話題を集めています。

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全長:約4.1m、全幅:約1.7m(ニスモは約1.8m)、全高:約1.3mというコンパクトでシンプルな3ボックスフォルムをキャンバスに見立て、1990年以降に生まれた“ジェネレーションZ”、“デジタルネイティブ”の心に刺さることがターゲットのコンセプトカーです。

そのために、プロフェッショナルのエンジニアとジェネレーションZ世代が『コ・クリエーション(共同創造)』したというアプローチもユニークでチャレンジングなコンセプトカーとなっています。どこか昔ながらを感じさせる様々な要素は懐古趣味的にも見えますが、ノスタルジーの現代的なアレンジこそが、今回の成果だということです。 今風のフェンダーミラーなどは、そうした再解釈の一例といえるのではないでしょうか。

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角ばったフォルムやディテールに往年のスカイラインやブルーバードといった名車の面影を感じさせるコンセプトカー「アイディーエックス」ですが、そこまで遡らなくとも、とあるコンセプトカーを思い出すという日産ファンもいるのでは?

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2005年の東京モーターショーにて日産が出品したコンセプトカー「フォーリア」です。こちらは『オトナのための上質なコンパクトスポーツ』というコンセプトで、ボディサイズは全長:4350mm、全幅:1695mm、全高1370mm。と、2013年の「アイディーエックス」と非常に似たサイズ感となっているのです。

また、水平基調のボディライン、ロングノーズと四隅に配置したタイヤといったスタイリングなど共通点も見受けられます。 ディテールでいえば、フロントフェンダーにエア・アウトレットを設けている点や、インパネ中央に大型ディスプレイを配置したコクピットも共通性があるといえるかもしれません。

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往年の名車をイメージさせる各部の造形、そして7年前の東京モーターショーに登場したFRコンパクトスポーツとの重なるシルエット、そしてキャビンにおいて存在感を出すセンタートンネルから、「アイディーエックス」はFRレイアウトという印象が強いのですが、公式にはFRとはアナウンスされていません。

オフィシャルに発表されているパワートレインは、「アイディーエックス フリーフロー」が1.2~1.5リッターのガソリンエンジンとCVT(無段変速機)、「アイディーエックス ニスモ」は1.6リッター直噴ターボエンジンと6速マニュアルモード付きCVTと、横置きを連想させるものになっているのです。

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駆動方式が明記されていないとはいえ、このパワートレインは横置きを想定していると捉えるのが妥当でしょう。とはいえ、FFとは限りません。左右トルクコントロールの可能な4WDという可能性も十分に予想されます。

「アイディーエックス」は、まさに『FRスピリット』的なコンセプトカーといえそう。東京モーターショー2013の開催期間は12月1日まで、そのネライを間近で感じてみてはいかがでしょうか。

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(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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