「クルマ離れ」が加速するイタリアで自転車が売れまくり!

スマホなどの普及で利用料金が嵩むようになり、クルマの維持費(高い税金やメンテナンス費)まで資金が回らないことからクルマを持たない人達が増えている日本。 

しかし、これは日本だけの現象では無いようです。

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イタリアでは欧州経済が低迷する中、クルマの売れ行きが伸び悩んでおり、自転車が飛ぶように売れているそうで、販売台数でクルマを追い越したとか。 

2012年の新車販売台数が約140万台なのに対し、自転車は161万台を販売。こうした傾向はイタリアに限らず、スペインでも起きていると言います。 

経済情勢の悪化に加えて、環境志向の高まりなどを背景に、イギリスやドイツ同様、首都圏へのマイカー乗り入れを規制する動きが影響している模様。 

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ローマでは市の方針により、コロッセオ周辺から普通車両を排除、世界的に著名な古代遺跡を交通渋滞に起因する振動や汚染から守るべく、遺跡に面した道路の通行は自転車や公共交通機関を除いて全面禁止に。 

またミラノでは市の中心部に車で乗り入れるドライバーから5ユーロ(約650円)の通行料を徴収するなどの処置がとられています。 

この為、観光客は自転車貸し出しサービスを利用、会社員は自前の自転車で通勤するのが一般的なスタイルになっているそうです。 

自転車の販売増が続く一方で、クルマの数は年間3.5万台減少。免許を取得する受験者数も過去20年余りで最低水準に。 

高速道路の利用についてもミラノ・ローマ間をクルマで移動する場合、電車よりも2時間以上多めにかかる上、通行料が約5,000円と3割ほど高くつくことから、昨年は前年比で7.5%ほど低下。 

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こうした背景から、イタリアの年間乗用車販売台数は2011年が175万台、2012年は140万台(-20%)と減少傾向。 

今年1~10月の累計販売台数は前年同期比-8.0%の111万台で、年間販売台数は2012年を更に下回る130万台(-7%)程度に留まる見通し。200万台規模に回復するのは早くても2020年以降になる模様。

国家財政や環境対策の影響をモロに受けており、イタリアでは今後も自転車の増産が続きそうな状況にあるようです。

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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