「アクアvsフィットハイブリッド」の燃費競争に注目が集まっていますが、ハイブリッドを使わずカタログ燃費と実燃費を向上し、新型ゴルフを筆頭にお家芸の圧倒的な品質感でディーラーへの来場者を爆発的に増やしているのがフォルクスワーゲン。
7月だけで新車登録台数が5000台を突破したというフォルクスワーゲンですが、ゴルフの弟分であるポロにニューモデル「Polo Blue GT(ポロ・ブルーGT)」が加わりました。
小さくても確かな走行性能と巧みなパッケージングでup!に隠れがちだった感のあるポロ。しかし、「ポロ・ブルーGT」は、ゴルフに搭載された1.4Lの「TSI ACT」と同様、気筒休止システムを搭載しているのが自慢で、VW旋風に拍車をかけそうな予感がします。
この「ACT」は1.4Lの直列4気筒ターボの低負荷時に、2番と3番のシリンダーを休止させるというもので、音や振動面の違和感など、ゴルフ同様に乗員にまったくと言っていいほどその存在を感じさせません。
トランスミッションは、ポロTSIハイラインやポロGTIの6速DSGから7速DSGにアップデートされており、さらに、かつてDSGの懸念材料だった極低速時のギクシャク感もほとんど察知できませんでした。
気になる燃費は、ACTとアイドリングストップの搭載などによりJC08モード21.3km/Lを達成。「ハイブリッドなし」でこの燃費は、「デュアルジェットエンジン」搭載のスイフトやミラージュ、デミオなどには及びませんが、ポロ・ブルーGTのエンジンスペックは140ps/250Nm。
これらの国産勢に対してパワーは2倍近くから2倍以上もあり、トルクも2倍から3倍近くと「エコだけど走りは我慢」ということは一切ないどころか、ファン・トゥ・ドライブを満喫できるのがすごいところ。
ポロGTIの179ps/250Nmにはパワーで多少譲りますが、トルクは同じなだけでなくトルクバンドの広さにより出だしから鋭く、急勾配でもグイグイと加速していくくらいですからビックリさせられます。
価格は263万円で、ポロTSIハイラインよりも17万円高、ポロGTIよりも38万円安と絶妙な値付けです。
(塚田勝弘)