スバル富士重工業が、同社としては初めての市販ハイブリッドカーとして『スバルXVハイブリッド』を2013年初夏に国内発売することを発表、その技術を公開しています。発表の席において、同社の吉永泰之社長は「2011年の中期経営計画において2013年中にはハイブリッドカーを発売するとしましたが、それがこの『XVハイブリッド』になります。国内の新車市場(登録車)では約30%がハイブリッドカーとなっています。そこへ向けて、スバルらしいハイブリッドを考え、環境対応を示す、ひとつの解となります」と述べました。
すでに2013年ニューヨークオートショーにおいて世界初公開された『XVクロストレック ハイブリッド』の日本仕様といえるプロトタイプが展示されましたが、これはスバル初の市販ハイブリッドであると同時に、XVシリーズのトップグレードとして位置づけられているといいます。
ハイブリッド専用のプラズマグリーンパールという新色のボディの中には、伝統のシンメトリカルAWDを基本とした、2.0リッターガソリンエンジン+リニアトロニック(CVT)+シングルモーター+ニッケル水素電池というパッケージのパワートレインが組み込まれています。燃費性能はJC08モードで20.0km/L。このクラスの全輪駆動SUVとしては優れた数値となっています。
燃費性能以外の具体的な数字は、価格も含めて未公表となっていますが、リニアトロニックの後ろに置かれた駆動モーターの出力は10kW程度、バッテリー総電力量は約650Whで、モーター駆動だけでも40km/hまでは走行可能ということ。また、バッテリーのサプライヤーはパナソニック(旧三洋)で、ホンダが使っているセルと基本的には同等品という信頼性のある電池を使っているそうです。
「ターボのかわりにモーターを使い、走りと燃費の両立解を実現したXVのベストグレード」というハイブリッド。スバルらしい水平対向エンジンとシンメトリカルAWDにこだわり、ファン・トゥ・ドライブを優先的に考えたといいます。初夏の発売が楽しみな一台です。
(山本晋也)