ここ数年、突然閉店したり廃業するガソリンスタンドが増えていることは、以前に「街のガソリンスタンドが次々となくなる!! その意外な理由とは?」という記事で触れました。その実態が石油販売業者の団体である全石連(全国石油商業組合連合会)により、具体的に示されたのでご紹介しましょう。
全石連の試算によると、2012年度中に店を閉鎖する全国のガソリンスタンドの数は、なんと2000店以上に達する見通しです。2011年度は1034店だったといいますから、この春までにその2倍の数のガソリンスタンドが各地で姿を消すことになります。全国のガソリンスタンドの数は平成23年度末で3万7743店舗(資源エネルギー庁による)なので、一気に2000店もなくなるのは、まさに激減といっていいでしょう。
どうしてそんなに多くのガソリンスタンドがやめてしまうのか。その理由のひとつは以前の記事でも書いたように、さる2011年2月に施行された改正消防法による地下の燃料タンクの改修期限がこの1月いっぱいで切れたため。タンク改修には最低でも500万円以上のコストがかかるうえに、クルマ離れやエコカーの普及でガソリン需要が減る一方とあっては、閉鎖や廃業に至るのもやむなしと見られています。
ちなみにタンクの改修にはコストの3分の2を補助する制度もありましたが、全石連によると改修の対象となる約7000店のうち、実際に補助を受けたのはその7割の5000店程度といいます。タンク改修以外の理由で閉店するスタンドも少なくないことを考えれば、2000店以上のガソリンスタンドが消えてしまうのは確実、というわけです。なんだか寂しい話ですね。
(まるほ商会)