2012年度の欧米市場に於ける自動車メーカー各社の年間販売台数が出揃いました。
好調な米国市場と市場規模縮小が続く欧州に於ける日本車の販売状況が実際にはどの辺りのポジションに位置してるのかをブランド別に見て行きたいと思います。
まず最初に「ブランド別 米国販売台数ランキング」(上表左側)の上位10位までを見ると、やはり強いのはGMで約260万台/年で首位。続く2位はフォードで224万台、世界販売で首位となったトヨタは米国で3位の208万台につけています。(前年比+26.6%)
4位のクライスラー(165万台)を間に挟んで5位がホンダ(142万台)、6位が日産(114万台)と日本車が続きます。そして7位と8位が韓国のHYUNDAI(70万台)とKIA(56万台)。
HYUNDAIグループとしてみれば126万台規模となり、ホンダに続く実質6位ということに。
昨年米国で11月に燃費の過大表示が取り沙汰されましたが、今のところ大きなダメージに繋がっていないと言います。HYUNDAIは前年比で約9%、KIAは約15%もの大きな伸びを見せており、日本車同様に既に色々な面で米国で目立つ存在となりつつ有ります。
9位はPASSATの米国生産を復活させたVW(44万台)で、前年比で35%を超える驚異的な躍進ぶりを示しています。同社傘下ののAudi(14万台)やポルシェ(3.5万台)も合わせると61万台の規模に。 10位は好調なスバルで前年比26%増しの34万台を販売。
次に右側の「車名別米国販売台数TOP20」に目を移すと、7位のダッジを挟んで上位3位~9位までを日本車が独占。前年比で+73.4%と大きく伸びたプリウスは14位につけています。
続いて欧州の販売状況を見てみましょう。
前年同期比の数値が示すとおり、各社共に大幅に販売台数を落としているのが判ります。
欧州販売のトップは世界販売で3位につけたVWが160万台とダントツで、2位のルノー(105万台)以下を大きく引き離しています。
低迷する欧州経済の影響で他社が2桁台で販売を落とす中、前年比で4.2%減に留めており、傘下のAudi(70万台)やシュコダ(49万台)を含めれば実に総販売台数は280万台規模。
ルノーは「フランス政府が雇用維持でルノーに日産車の生産を要請 !?」でお伝えしたとおり、前年比で約19%も販売を落としており、1月15日に2016年までにフランス国内従業員の14%に相当する7500人を削減するリストラ計画を発表するなど、かなり深刻な状況。
日本車の欧州市場シェアは米国とは大きく異なり、まだまだといった感じで、トヨタも欧州では11位と10位圏外。(前年比-2.5%の54万台)
低迷が続く欧州市場で鼻息が荒いのが米国同様、HYUNDAIグループで、傘下のKIAを含めると77万台規模に到達。日本車を抜き去り、実質上10位内にランクイン。
以上のように、米国ではビッグ3(GM/フォード/クライスラー)と日本車勢が、欧州ではVWがそれぞれ圧倒的シェアを確保しており、そこへ韓国勢が食い込みつつあるといった図式。
日本車の世界販売はやはり米国の好調ぶりに支えられていると言えそうです。
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