星崎 俊浩 
乗用車から派生したクロスオーバーSUV市場は、「本格的な走破性能を備えたオフロードSUV」と「都会的でスマートなアーバンSUV」の2ジャンルに分かれています。スバルが前者を最も得意とするのは言わずもがなですが、世界的に人気高まっているのは後者。そこで2代目となる新型スバルXVは、インプレッサのアーバンSUVとして開発されました。
■快適性とタフさを両立した「アーバンアドベンチャー」
スバル独創の「水平対向エンジン＆4WD」レイアウトは、圧倒的な走破性と安定性を誇ります。もともと「タフ」に生まれついているのですね。そこで2代続けてインプレッサの開発を務めた新型XV開発責任者・竹内PGM（プロジェクトゼネラルマネージャー）は、新型XVの開発コンセプトを「アーバンアドベンチャー」に設定。インプレッサをベースにして、「都市生活をスマートにこなす快適性」と「アウトドアで冒険心をくすぐるタフさ」を兼ね備えたクルマ造りを目指したのです。
■「エコタイヤ」の採用は「水平対向＆4WDレイアウト」の成せる技！
新型XVの開発では、クロスオーバー化に伴うデメリットの徹底解消を目指しました。つまり、車高アップや大口径タイヤ等によってスポイルされる操縦安定性や快適性、燃費性能を、トコトン改善する手法を取ったのです。中でも象徴的なのはタイヤの選定で、なんとエコタイヤを採用！これはスバルの水平対向エンジン＋4WDレイアウトが、優れた走破性能を備えているからできる選択なのですね。まさに他社では真似できない、スバルならではの成せる技だといえるでしょう。
■「スポカジ」感覚で磨いたスマートな個性
新型XVのデザインコンセプトは「スポカジ」。プロ仕様のスポーツギアをお洒落に使いこなす人々の姿に、都会派イメージを求めました。クロスオーバーSUVの定番は、ボディを一定幅のプロテクターで取り巻くことですが、デザイン陣は「長靴（ゴム長）」と称して却下。必要なところに必要なプロテクターをデザインする新発想で、スマートなスポーティさの演出に成功しました。また星枠に切削光輝加工されたアルミホイールのデザインも駿逸！XVが狙った「スポカジ」イメージを、大きく際立たせています。
新型XVは、4代目インプレッサの設計開発時から、クロスオーバー要件を織り込んで開発されました。XVとして最適設計がなされているのです。インプレッサの単なるアウトドア派生仕様ではないのですね。新型XVから感じる完成度の訳は、まさにそこにあるといえるでしょう。
■新型スバルXV
http://www.subaru.jp/xv/sp/index.html
（拓波幸としひろ）
