佐藤琢磨が知られざるF1の裏側を語る【中日本自動車短大NAC】

10月9日、中日本自動車短大(以下NAC)では、客員教授の元F1ドライバーで、今シーズンはインディで活躍中の佐藤琢磨氏の授業見学、特別講演などが行われました。

 

自動車好きも多いNACだけに、佐藤選手の来校は学生たちにとってはビッグイベント。ちょっとしたスキにすぐサインを求めたり、握手をしたりと大歓迎の様子でした。

学生を対象にした講演会では、佐藤選手のこれまでの活動をベースに、これから社会に出ていく若者に向けなにをすべきかを語ってました。 

1987年、10歳のとき鈴鹿で見たナマF1に感動して、セナに憧れ、それ以来ずーとF1に乗るのが夢だった琢磨は、大学時代までオリンピックを目指すくらいの自転車競技をやっていたものの、F1への道を目指し、鈴鹿のスカラーシップにチャレンジします。

その時点で年齢制限ギリギリだったこと、その最終選考は書類中心だったため、4輪の経験が少ない自分にとって不利だと思い、面接をやって欲しいと申し出たこと。

英語はまったく自信がなかったけれど、夢を叶えるためにはと、イギリスへ渡ったことなど、琢磨のモータースポーツ初期のチャレンジのエピソードを引き合いに、とにかくチャレンジすることなしには何も起こらないと学生へ語りかけます。

また、500人もの人が関ると言われるF1チームの経験から、仲間が同じ方向へ向かうことへの重要さ、それぞれが楽しく仕事を続けることの有効性、日本の自動車関連技術の高さや食べ物の美味しさなど、日本でいま学んでいることの優位性、などなど、世界を舞台に戦ってきて、いまもその中に身を置く戦士としてのナマナマしくも引き込まれる口調に皆が聞き入っていました。

その後の質疑応答では、ホンネも出ます。

F1にまた乗りたいか、という質問には、未練がないかと言えばあるが、ただ乗れるだけでは意味がない。ベストな勝てる状態でまたいつか乗ることができればと思うが、今はとにかくインディに専念して優勝することだと。

F1などの裏側は? という質問には、意外とTVなどでは見えないが、チーム内は和気あいあいとしていて、それでいてレースのときはホンキモードになっているとのこと。

普段乗ってるクルマは、ミニクーパーとビートと、大人の事情もあって普段はオデッセイとのこと。F1まで乗った男がビートも、それも楽しみで乗ってるというあたり、ホントにクルマが好きなんだなと伝わってきます。

以前から、とても話がうまく、好感を持っていましたが、直接お話を聴いて、ますますその口調に引き込まれるのがわかりました。うーん、だいぶ歳下なのに、すごいトーク力だ。

佐藤琢磨選手は、明日11月10日も中日本自動車短大を訪れます。

今度は、カート大会やじゃんけん大会もあります。高校生はもちろん、一般参加もOKです。

ぜひ、ナマでF1を走った男の話を聞きに来てみませんか?

(小林和久)

■日程■
2012年11月10日(土) 

■場所■
中日本自動車短期大学
岐阜県加茂郡坂祝町深萱1301
0574-26-7121
http://www.nakanihon.ac.jp/index.html

 ■対象■
高校生・一般 

■時間■
12:00~14:30(予定) 

■タイムスケジュール■
11:30 受け付け開始
12:00 佐藤琢磨氏特別講演
13:00 カートデモ走行
   カート対決
   2人乗りカート同乗走行
14:00 抽選会、握手会、サイン会(高校生対象)
14:30 終了予定時刻
*予定は変更になる可能性がございます。

 申し込み
中日本自動車短期大学ホームページ
http://www.nakanihon.ac.jp/index.html 

問い合わせ
中日本自動車短期大学 担当:広報課
0574-26-7121(代)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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