CUSCOブランドの(株)キャロッセが競技用のベース車両として輸入し、マレーシア車として初めて国土交通省型式認定を取得したプロトン サトリア・ネオ。サトリア・ネオは現在全日本ラリーや全日本ジムカーナで活躍しています。
そのマレーシア車、プロトン サトリア・ネオの型式認定が8月に交付され、この秋から一般発売の受付も開始。そして去る11月4日、その市販第1号車の納車が群馬県高崎市のキャロッセ本社で行なわれました。
競技用ベース車両として販売されるサトリア・ネオですから納車された第1号車は当然ノーマルではありません。今回の市販第1号車はN0TECなどのナンバー付き車両耐久レース向けのサーキット仕様。
外観の特徴はプロトン純正オプション「R3」ブランドのエアロ。特にフロントセクションは空気の抜けがかなり良さそうな形状で夏場のレースに効果を発揮しそうです。
エンジン自体はノーマルですが、エンジンルームにはCUSCOのタワーバー。このタワーバーはブレーキシリンダーストッパー付きで、ブレーキの踏み心地をしっかりとしたものにしてくれるとのこと。
乗車定員は5名。定員を変更することなく装着できるロールバーも用意され、またリヤにもタワーバーを装着。ただでさえボディー剛性が高いサトリア・ネオの剛性がよりパワーアップされています。
写真では紹介できませんが、足回りはCUSCOの競技対応のサスペンションキットZERO3Gを装着。そしてCUSCOのLSDも入っています。
これらの競技用パーツが純正オプションとして用意されているところがサトリア・ネオの強みです。レギュレーションで純正オプションのみのパーツしか使えないような競技でも圧倒的な戦力が期待できます。
インパネ周りは極めてシンプル。今回の市販第1号はオーディオレスオプションを選択しているので配線がむき出しですが、ここには通常CDデッキチューナーが入ります。そしてエアコンは標準装備。ステアリングと助手席ダッシュボードにはしっかりとエアバッグも装着されています。
交換前提のシートやホイール。しかし、ノーマルシートも意外とホールド性が高く特に腿のあたりのサポートはしっかりしています。
ベース車両の価格は159万6千円。そこから競技対応にするには使用するパーツ類の価格や作業工賃などでかなりの幅が出てきますが、新車から仕上げるという意味で2011仕様のVitzのカップカーと比べると、サトリア・ネオはビックリするくらい安く仕上がります。
ノーマルで乗ってもかなり面白く、高速道路のパーキングエリアなどでは「どこのクルマ?」と質問攻めに合うくらいレアで目立つサトリア・ネオ。競技を抜きに考えてもけっこういいクルマです。
プロトンジャパン サトリア・ネオ公式サイト
http://www.proton.co.jp/index.html
(北森涼介)