スバルXVハイブリッドが3つのバッテリーを積むワケは?

ハイブリッドカーは、電装系やシステム起動用の鉛バッテリーと、モーターを動かす駆動バッテリー(ニッケル水素かリチウムイオンが多い)と、ふたつのバッテリーを積んでいるケースがほとんどなのですが、発表されたばかりのスバルXVハイブリッドは、さらにもうひとつバッテリーを積んでいるトリプル・バッテリーとなっています。

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 ハイブリッドならではといえる、駆動用バッテリーはラゲッジルームの床下にコンパクトに納められています。このバッテリーを充電するのは回生ブレーキ、四輪から減速エネルギーを回収できるので、エネルギー効率に優れているのが、シンメトリカルAWDハイブリッドの特徴のひとつでもあるそうです。

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注目はフロントフードを開けたエンジンルームの眺め。エンジンの左右に鉛バッテリーが置かれているのがわかるでしょうか。ラゲッジルーム下のニッケル水素電池と合わせて、全部で3つのバッテリーを積んでいるというわけです。

エンジンルームのそれは、向かって右が電装系やシステム起動用の、いわゆるガソリンエンジン車にも搭載されているバッテリーと同じ役割をするもの。左が、今回のハイブリッド車専用に用意されたものとなります。

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では、左側に見えるバッテリーの役割はなにでしょうか?

実は、これは走行中のエンジン停止から復帰(エンジン始動)させるための電力を供給するバッテリーなのです。

最初にスタートキーをプッシュして、エンジンを始動するときには、電装系バッテリーの電力によりスターターモーターを使ってエンジン始動をするXVハイブリッドですが、走行中のアイドリングストップからの復帰はISG(インテグレーテッドスタータージェネレータ)を用いるという風に使い分けています。

これにより、再始動時のナビ画面のチラツキなどを抑え、快適性をスポイルしないエンジンストップ&スタートが実現しているということです。 

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なお、駆動用ニッケル水素バッテリーと電装系用の鉛バッテリーは基本的に回生ブレーキにより充電。ISG用バッテリーはISGのジェネレータ機能によって充電するといった具合に、2系統にわかれているそうですが、 電装系用バッテリーが弱っている場合は、ISG用バッテリーから電力を供給できるようにするなど「こんなこともあろうかと」的なバックアップを意識したシステムになっているということです。

 

ところで、ISGはスタータージェネレータという名前の通りに、エンジンスタート機能と発電機能を併せ持った進化型オルタネーターといえるもの。スバルXVハイブリッドでは、メカニカルな振り子式ベルトテンショナーを使うことで、スターターモーターでの始動時にはISG部分のベルトテンションを低くして抵抗を減らし、一方ISGでエンジン始動する際にはテンションを高めるといった工夫もされています。

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(山本晋也) 

 

 

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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