新型日産ラティオは70kgダイエット。JC08モード燃費も22.6km/Lをマーク

しっかりした基本性能と、アフォーダブルな価格の両立を目指して開発され、マーチなどから採用されている日産の「Vプラットフォーム」 による5ナンバーサイズの正統派セダンが登場しました。
5ナンバーサイズといっても国内だけを見て作られたわけではありません。マーチ同様にタイで生産され、新興市場を中心に人気の小型セダンという激戦区をターゲットとしたグローバルカー、それが日産「ラティオ」です。
従来の「ティーダラティオ」と比べて全長・ホイールベースはほぼ同じものの、フロントオーバーハングを55mm短くし、さらにアクセルペダル位置を20mm前方に移すことでキャビンスペースを有効に活用。また、リヤオーバーハングは50mmも伸ばされトランク容量を490L(VDA式)とティーダラティオ比で23L増やしています。

とはいえ、排気量、ボディともダウンサイジング指向で環境性能を高めているのが特徴。エンジンはマーチでおなじみの1.2リッター3気筒DOHC、ボディはトータルで70kgものダイエット(ティーダラティオ比)を実現しているといいます。

さらにボディは床下形状まで空力を意識したもので、Cd値は0.31。変速比幅の広い副変速機付きCVTといったパワートレインの洗練とあわせて、JC08モードで22.6km/Lという好燃費を実現しています。これにより「平成27年度燃費基準+10%」を達成。国土交通省の「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)」認定と合わせて、「エコカー減税」による減税措置の対象となり、自動車取得税及び自動車重量税が75%減税となるということです。

オーバーハングを短くしたといっても、フロントグリルやエンジンフードの存在感を重視したスタリングや幅広く見えるようなリヤスタイルとすることでサイズを超えたセダンらしい立派さを狙ったエクステリアに仕上げたということ。ボディカラーは、ホワイトパール・タイタニウムグレー・ピュアブラック・バーニングレッド・ブリリアントシルバー・ホワイトと6色が用意されています。

 

燃費改善としてアイドリングストップをはじめ、オルタネーター回生制御などが盛り込まれていますが、さらに「スムース発進アシスト」というベテランドライバーのアクセルワークを再現するようなスロットル制御が採用されているのも好燃費とセダンらしいマイルドな走りに貢献しているとか。

エンジン、変速装置、駆動方式は全グレードに共通で、装備よって4つのグレードが用意されています。

●グレード:メーカー希望小売価格
B:1,388,100円
S:1,419,600円
X:1,470,000円
G:1,698,900円 

 

想定するターゲットユーザーは、セダンにこだわる比較的年齢の高い個人ユーザーと、4ドアセダンであることが求められる業種の法人営業車両といいます。目標販売台数は1200台/月ということです。

●日産ラティオG 主要諸元
型式:DBA-N17
全長: 4425mm
全幅:1695mm
全高:1495mm
ホイールベース:2600mm
車両重量: 1040kg
定員:5名
エンジン型式:HR12DE
エンジン型式:直列3気筒DOHC
総排気量:1198cc
圧縮比:10.2
最高出力:58kW(79PS)/6000rpm
最大トルク:106N.m(10.8kg-m)/4400rpm
使用燃料:無縁レギュラーガソリン
変速装置:エクストロニックCVT
JC08モード燃費:22.6km/L
前サスペンション:ストラット式
後サスペンション:トーションビーム式 
最小化移転半径:5.2m
タイヤサイズ:175/70R14 84H 

(山本晋也)

 

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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