■トヨタと共同開発したインボード艇専用の操船支援システム「Y-FSH」を搭載
ヤマハ発動機は、インボードエンジン(船内機)が搭載されたオフショア・フィッシングボート「DFRシリーズ」のマイナーチェンジを実施し、2024年7月から順次発売すると発表しました。
マイナーチェンジを受けるのは、フライングブリッジタイプの「DFR-36FB」、ハードトップタイプの「DFR-36HT」「DFR-33」の3モデルです。
今回のマイナーチェンジは、新開発の操船支援システム「Y-FSH(ワイ・フィッシュ)」の採用がトピックス。
「Y-FSH」は、トヨタ自動車と共同開発されたインボード艇専用の操船支援システムです。GPSとバウスラスター(ボートを横方向に移動させる動力装置)、エンジンなどを連携させることで、アンカー(錨)使用時と同様に、任意の範囲内で船位が保持されます。
また、船首を指定した方位へ維持させたまま、流し釣りなどが可能で、アンカーやスパンカー(船首を風上に立てるための帆)を使用しなくても、充実したボートフィッシングをサポート。なお、アンカーは法定安全備品として小型船舶への搭載が義務づけられているため、搭載する必要があります。
「Y-FSH」の採用によりピンポイントで楽しむ釣りや、潮流れや風に乗せながらの流し釣りを強力にサポート。釣りの際に使用される従来のスパンカーの使用やアンカーの投入が不要になります。釣りに使用できるスペースが拡大されているのも朗報です。
今回のマイナーチェンジでは、「Y-FSH」の採用のほか、内外装を洗練させるとともに、人気の艤装品がトータルパッケージされたオプションの設定、細部の変更なども盛り込まれています。
マイナーチェンジを受ける「DFR」シリーズは、高次元の外洋航走性能を発揮するオフショア・フィッシングボートで、高性能ディーゼルエンジン(DFR-36:D8-550/DFR-33:D6-440、ともにVOLVO PENTA社製)が搭載されています。
エンジンとヤマハ発動機独自の船型とのマッチングにより、高次元の外洋航走性能を発揮。また、加速補助、旋回時のヒール補正、追い波時の安定性が自動制御されるZipwake社製「ダイナミックトリムコントロールシステム」を採用(DFR-36シリーズのみ)。
また、釣りのしやすいデッキレイアウトをはじめ、細部にわたって釣りの機能性が追求されています。同時に、キャビンの居住性能も重視するなど、アングラー(釣り人)への負担をあらゆる場面で低減させ、快適なボートフィッシングに寄与。
状況に応じて2種類のモードから選ぶことが可能です。「e-ANCHOR(アンカーモード)」は、船位維持を可能とする仮想アンカーシステム。一定の範囲内で船位をアンカー投入時と同じように維持することができ、魚礁や根、深海など、ピンポイントでの釣りに効果を発揮します。
さらに、アンカー投入時のように底質や水深を気にすることなく、投入や回収に伴う労力を不要とし、移動も速やかに行うことができます。
「e-COMPASS(コンパスモード)」は、風向や潮に影響を受けず、船首を常に任意の方向に保持できます。風の強さに影響を受けやすいスパンカーの弱点を解消し、風の弱い際でも一定方向に船首方向を維持することができます。風向に影響を受けず、波に対して船首を維持することができます。
さらに、流し釣りなどでの快適性を向上。従来のFSR(フィッシングサポートリモコン)、SSR(スーパースローリモコン)を併用することで、船首方向を維持した流し釣りが可能になります。
●価格
「DFR-36FB(Cパッケージ)」:6613万2727円(2024年7月発売)
「DFR-36FB(スタンダード)」:5816万1027円(2024年7月発売)
「DFR-36HT(Cパッケージ)」:5822万2626円(2024年7月発売)
「DFR-35HT(スタンダード)」:4861万6326円(2024年7月発売)
「DFR-33(Cパッケージ)」:4989万4306円(2024年8月発売)
「DFR-33(スタンダード)」:4344万5006円(2024年8月発売)
(塚田 勝弘)
【関連リンク】
DFR-36FB
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/dfr-36fb/
DFR-36HT
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/dfr-36ht/
DFR-33
https://www.yamaha-motor.co.jp/marine/lineup/boat/dfr-33/