目次
■ありがとうトゥインゴ、生産終了となったトゥインゴを見に行こう
●新車ディーラーに行くのは、この連載では実は初!
こんにちは。東京で車を買っちゃったライター、半澤です。
この書き出しをするのも、今回が最後になりました。2021年、車購入前から記事を書かせていただき、どの車を買うかを悩みまくった日々がとても懐かしいです。
ルノー・トゥインゴという愛車に出会ってからはまさに「買っちゃっいました」というリアルな目線で、買い物や旅行に行った話、さらには切符を切られた思い出までをこの連載にぶつけて参りましたが、今回は晴れて最終回。
ラストはどうしようかと考えたのですが、原点に戻り、車を見に行くことに。「ディーラーに行く」という行為は点検のときくらいしかしたことがなかったですね。車検などでお世話になっている、ルノー練馬にうかがい実際に車を見せてもらうことにしました。
この機会にぜひ、見ておきたい車があったのです! 今の車は中古車ディーラーで買ったので、新車のディーラーはちょっとドキドキしますね。
●日本向けトゥインゴは生産終了、300台の限定車が本当の本当の最終モデル
見ておきたい車。それは、やはりトゥインゴ。こちらの記事にもあるように、この車種は日本向けのモデルの生産終了を発表しています。
「ルノー・トゥインゴ インテンス EDCエディション フィナル」という300台の最後の限定モデルも話題ですね。トゥインゴ愛を語り尽くしてきた本連載の最後に、最新モデルを見に行くのも、なかなかオツでは!
今回、お話をうかがったのはルノー練馬・店長の松原輝彦さん。トゥインゴはどのような車だったのかうかがうと、このように語ってくださいました。
「トゥインゴは日本でもとても人気です。販売する側からみてもルノーの主軸といえます。狭い道が多い都心部でも乗りやすいですし、おしゃれでかわいい。男性、女性問わず愛される車だと思っています」。
ですよねぇ。なんか自分が褒められているみたい! 中古で購入した身ですが、ボクもそんな話をうかがうと鼻高々になってしまいます。
「トゥインゴに乗ってらっしゃるお客様は、皆さん自分の愛車を、トゥインゴちゃんと呼んでます(笑)。それって、他の車にはない魅力なのかなと思います」。
トゥインゴちゃん! それはボクも使わせていただきます。思わずちゃん付けしたくなる気持ち、めっちゃわかる!
●東京、最後の一台を発見。これは欲しすぎるヤツ
そして、今回見に行ったのが現行モデル。ボクが乗っているのは2016年のモデルなので、現行モデルが輝かしく見えました。お店の真ん中に飾ってあった最新のトゥインゴをゆっくり見ている、松原さんから衝撃の言葉が!
「トゥインゴのキャンバストップモデルはこの車が、東京で最後の一台なんですよ」。
な、なんと…それは欲しくなっちゃうじゃないですか。「キャンバストップEDC」は274万円、前述の限定車「EDCエディション フィナル」は289万円とのこと。
輸入車の新車でこの価格ってスゴイ! 円安なのに。物価高なのに! 絶対に将来、価値が上がっちゃいますよね。欲しいよ。え、買っちゃうの? 最終回記念に車購入、かっこよすぎないか。
「現行のトゥインゴは以前のモデルより少しだけ馬力が上がっているんですよ」。
と松原さんは続けます。え、そんなこと言われたらさらに欲しくなっちゃうじゃないですか。さらに現行モデルはタッチスクリーンが標準装備ということ。スマホでカーナビ操作をしているボクからすると、うらやましい限り!
●「変わらない」こともトゥインゴの魅力、最後まで車の楽しさを追い求めていた
それにしても、今回の日本向けモデルの販売終了は驚きました。トゥインゴを実際に売ってきた松原さんの目には、この車、どんな風に映っているのでしょうか?
「考えてみれば30年も作っていたんですね。それってすごいことです。破壊的イノベーション型と私は呼んでいます。いろいろな装備を付けるというよりは、変わらないことを大事にしてきた。新しい装備をあえて付けなかったというのがトゥインゴの特筆すべきところですね」。
なるほど、30年の歴史の重みを感じます。現行モデルが最後だと思うと、ちょっと胸に来るものがありますね。
「多くの車は装備をウリにしている。たとえばオートブレーキ、インテリジェントキーなどですね。他の車ですと新しい機能や装備が付いてそれが得なのか、損なのかという話になるわけですが、トゥインゴは逆にこれらの装備は付いていない。車の楽しさはどうなのか、それが原点だったように思いますね」。
そんなストーリーのある車に自分が乗っていたとは、感慨深いです。インテリジェントキー欲しいな、とか思っていましたが、すいません! 確かに、言われてみるとあのキーを回す瞬間の「しゅっぱーつ感」は何ものにも変えがたいものですね。すると、ここで松原さんからありがたいご提案が!
「よかったら乗ってみますか?」
え、乗らせていただけるんですか。それはもうぜひ! 店頭にあった赤い車ではなく、外に停めてあった新しいトゥインゴに乗せてもらうことになりました!
●車を買ってよかった、今もそう思っています
現行トゥインゴは乗ってみると、正直、ボクの愛車2016年製トゥインゴとはもはや別物でした。さきほど、松原さんが言っていた「馬力」を感じます。後ろからグイグイ押してくる、RR車の本領発揮というところです。
ボクの愛車は上り坂を走る際に時おり後ろにエンジンがあることを思い出すのですが、現行トゥインゴは平らな道でも後ろから押されている感じがしました! 松原さんはこのように話します。
「普通に考えたらエンジンとトランスミッションを後ろに積んで、RR車にしたら絶対コストが合うわけがない(笑)。トゥインゴはそれをずっとやり続けてきた。また、フランス車らしい輸入車っぽさも魅力の車ですよね。私たちの仕事は日本にヨーロッパの車文化を伝える、提供することだと思っています」。
なるほど、それは沁みるお言葉。ボクが乗っているのはただの移動手段の機械ではなく、文化なんですね。心に刻んでおかないとなあ。現行トゥインゴ、素晴らしい乗り心地でわずか5分程度の試乗でしたが、本当に欲しくなっちゃいました。今、売っているものがなくなったら終了と聞くとなおさらですよね。
やはり、最終回で新車購入、これが一番キレイな大団円なのか?
と思ったのですが、経済状況を考えると今はちょっとガマン。いつかディーラーで新車を買う日を夢みています。
それに何より、ボクには今、かわいいトゥインゴちゃんがいますからね! まだ走行距離は4万kmなので、これからもガンガン、いろいろなところに行って、お世話になる予定です。
車を持つ。しかも、駐車場代がバカ高くて、道が泣くほど狭くて、雪が降るとあっという間にトラブルが起こる、ここ東京で。
この連載ではさまざまな記事を書かせてもらいましたが、本当、車があることで人生が変わりました。お金はかかるけれど、いろいろな所に気ままに行けるし、生活するうえでも目線が広くなるし、楽しいことも増えた。何より、愛車の姿を目にする度に幸せな気分になっています。こんなに愛おしいもの、あんまりないなあ。
これからも車とともに、よい人生を歩んでいければと思います!
(半澤 則吉)