既存N-BOXのユーザーは、3代目の「新型N-BOX」に乗り替えるべき?

■初代からなら先進安全装備の面でも買い替える価値は大

3代目にスイッチした新型N-BOXに注目している方も多いでしょう。すでに販売会社が自社登録した届出済未使用車(いわゆる新古車)がかなり出回っています。新車と比べてどれだけ買い得感があるのかをはじめ、グレードや駆動方式、ボディカラーなどが希望どおりなのか、などによって選択肢に入れる手もあるでしょう。

新型N-BOXカスタム
新型N-BOXカスタム

ここでは、2代目(先代)のN-BOXユーザーが新型に買い替えるべきかを中心に考えてみたいと思います。

なお、2017年8月までのモデルライフとなった初代に乗っている方で3代目に乗り替えを検討しているのであれば、先進安全装備の進化も含めて迷わず購入したいところです。

●子育て層以外に広がるユーザー層

N-BOX(基準車)のエクステリア
N-BOX(基準車)のエクステリア

初代・2代目のオーナーで、当時、子どもが小さかった人も子どもが大きくなり、ほかのタイプへの乗り替えを考えている人もいるはず。

初代からのコアユーザーは、ほかの軽スーパーハイトワゴンと同じく30代を中心とした子育て層で、ママが中心に乗っている方も多いでしょう。N-BOXは、2代目からこうした子育て層を中心としながらも、子離れ層の50代男性、60代のシニア男性などにユーザー層が広がっているそうです。

N-BOXは、新型になり走りを確実に熟成させ、登録車のスモールカー(Aセグメント)を上回る動的質感を得ています。子離れ層でも趣味のため、広い室内や荷室などの利便性はありがたいはずですから、今までいろいろな車に乗ってきた“違いの分かる男”も満足させる走りを享受できます。

NAエンジン車の走行シーン
NAエンジン車の走行シーン

新型N-BOXは、NAエンジンでも思いのほか走るものの、予算が許すのなら余力のあるターボを選びたいところ。ただし、高速道路をほとんど使わずに街乗り中心であればNAエンジン車でも動力性能で大きな不満を抱くことはないでしょう。

ターボ車は、カスタムにのみ設定されています。カスタム・ターボに設定されている「コーディネイトスタイル」のうち、「モノトーン」か「2トーン」にするのかは、あなたのお好み次第。

●「ホンダ・センシング」の制御、操作性も向上

単眼カメラを広角化
単眼カメラを広角化

衝突被害軽減ブレーキや渋滞時追従機能付アダプティブクルーズコントロール、車線維持機能などの「ホンダ・センシング」は全車標準で、カスタムとカスタム・ターボは「マルチビューカメラシステム」もオプションから選択できます。

「ホンダ・センシング」は、カメラの広角化と認識技術の向上により、ACCや車線中央維持機能の制御も進化しています。

悩みどころは、2代目(先代)に乗っている多くのユーザーです。たとえば、子どもを2人乗せてドライブに出かけるのであれば、新型になり後席のショルダールーム(肩まわり)が55mm広くなった恩恵を享受できます。もちろん、親子で後席に座る場合も2代目よりも余裕を持って座ることができます。

新型N-BOXの1列目
新型N-BOXの1列目

前席はショルダールームが5mm広くなり、頭上まわりも5mm広くなっています。また、自転車で出かけた子どもの送迎などで自転車を積む際も、自転車の車輪を通しやすい荷室ボードを採用するなど、積載性の向上も図られています。

後席は肩まわりが広くなった
後席は肩まわりが広くなった

一方で、室内まわりの収納類は、数が減り、助手席グローブボックスの大型化などが盛り込まれました。もしかしたら気に入っていたポケッテリアが新型ではなくなっているかもしれません。

しかし、開発陣は自分達でN-BOXに日常的に乗り、気づきを反映させただけでなく、N-BOXユーザーが使っているシーンをショッピングモールなどでチラチラ観察したそうです。もちろん、ディーラーなどからのユーザーの声も参考にしたでしょう。収納の評価は、販売店の展示車や試乗車でできるはずです。

新型N-BOXのインパネ
新型N-BOXのインパネ

2代目からの乗り替えでも走りの進化は、間違いなく体感できると思います。

プラットフォームとパワートレーンを流用しながらも、街中から高速道路まで乗り心地は明らかに改善し、静粛性も1段と向上しています。前後席で座る親子の会話もよりしやすくなるはず。とくにターボ車は操縦安定性の高さも際立っていて、旅行や帰省などで長距離移動する人も疲れが軽減されることも期待できます。

問題は、予算が許すかどうかです。先代N-BOX、とくに上級仕様はリセールも期待できるはずで、頭金にする手もあるでしょう。ただし、3代目になり価格がさらに上昇し、軽自動車のイメージを覆す乗り出し300万円近い仕様もあります。

新型N-BOXカスタムのリヤまわり
新型N-BOXカスタムのリヤまわり

これまでご紹介したように、新型N-BOXは、走行性能や先進安全装備の面で着実な進化を遂げていて、先代オーナーであれば違いをすぐに実感できるしょう。

繰り返しになりますが、新型は走りの質感ですでにコンパクトカーの領域に入っていて、ライバルはほかの軽スーパーハイトワゴンだけでなくなっています。迷っているのなら購入して後悔はないはずです。

(文・塚田勝弘/写真・小林和久)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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