■「トヨタにランドクルーザーのバッジエンジニアリングをさせてくれ」と頼むようなもの
トヨタとスズキは欧州の一部市場とインドでプラットフォームを共有し、業務提携によりトヨタ「RAV4」がスズキ「アクロス」として販売するなど、「バッジエンジニアリング」(OEM供給)が進んでいます。
最新のニュースによると、トヨタにはスズキ「ジムニー」と「スイフト」をバッジエンジニアリングにより販売したい野望がありますが、スズキはトヨタバージョンが発売された場合、その象徴的な地位が薄れてしまうリスクを危惧しており、このふたつのモデルに関しては、バッジエンジニアリング実現へのハードルが高いことがわかりました。
スズキ側は、オートカー・インディアのインタビューにて、「それはトヨタにランドクルーザーのバッジエンジニアリングをさせてくれ、と頼むようなものだ。 当社のブランドの中心となるモデルは共有を目的としたものではなく、両社はそれを尊重していかねばならない」と語ったといいます。
スズキ内の情報筋によると、トヨタがジムニーを大型で高価なクロスオーバーやSUVに代わる、より手頃な価格の4×4の代替品として構想し、ジムニーの「バッジエンジニアリング」に強い関心を示していることを明らかにしたようです。
ジムニーは発売当初の急激な販売増の後、減少していますが、伝えられるところによると、スズキは販売量を増やすためだけに、モデルをトヨタと共有しないという決定を堅持していると伝えられています。同様に「スイフト」に関してもコラボレーションに拒否反応を見せているようです。
トヨタはバッジエンジニアリングに高い関心を示していますが、スズキはブランドアイデンティティに不可欠なモデルは共有されるべきではないと主張しているとのことですので、トヨタ「ジムニー」の誕生は幻となりそうです。