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■3つのカテゴリーのうちミドルクラスは国産そして輸入車が乱立
ファミリーカーの定番となったミニバンだけでなく、現在人気上昇中のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)にも、3列シートをレイアウトした6人乗り以上のクルマが数多く用意されています。
ここでは国産、輸入車のミニバンをボディサイズの大きな順に紹介します。
【ラージクラス】
●トヨタ・アルファード
2023年6月、4代目となる現行型トヨタ・アルファードが登場しました。乗車する全ての人が快適に移動できるように、プラットフォームを刷新し、走行性能をはじめ、振動や燃費性能などを向上させています。
現行型アルファードに搭載されているパワートレインは、2.5L直4ガソリンエンジンと、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は、全グレードで2WDと4WDを選べるようになりました。燃費性能は10.3〜17.5km/Lを実現しています。
グレード構成はZとエクゼクティブラウンジの2種類で、車両本体価格は、540万円〜872万円です。
●トヨタ・ヴェルファイア
トヨタ・ヴェルファイアは、2023年6月にフルモデルチェンジを行い、3代目となる現行型にスイッチしました。兄弟車アルファードとの差別化が図られ、外観だけでなく、ヴェルファイアらしい意のままの走りを実現するため、専用チューニングを施したシャシーやエンジンを搭載しています。
搭載されるパワートレインは、2.4L直4ガソリンターボエンジンと、2.5Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類で、両パワートレインで、駆動方式は2WDと4WDを選べます。燃費性能は10.3〜17.5km/Lを実現しています。
グレード構成はZプレミアとエグゼクティブラウンジの2種類で、車両本体価格は、655万円〜892万円です。
●トヨタ・グランエース
2019年12月に発売したトヨタ・グランエースは、全長5.3m、全幅1.97mというフルサイズミニバンです。広大な室内空間には、3列シート6人乗りと、4列シート8人乗りという2つのシートレイアウトが設定されています。
搭載されているパワートレインは、2.8L直4ディーゼルターボ+6速AT。駆動方式は2WDの後輪駆動を採用し、燃費性能は10.0km/Lを実現しています。
3列シートのプレミアムには、2列目そして3列目にオットマンを採用した、専用のエクゼクティブパワーシートを採用しています。6人乗りのプレミアムと8人乗りのGを設定するグランエースの車両本体価格は、620万円〜650万円です。
●トヨタ・ハイエースワゴン
200系と呼ばれる現行型ハイエースワゴンは、2004年8月に登場して以降、約19年も販売されているロングセラーモデルです。
ハイエースワゴンのグレード構成は、ロングボディ・ミドルルーフという形状のDX、GL。そして、スーパーロングボディ・ハイルーフという形状の10人乗りのグランドキャビンの3グレードを設定しています。
搭載されているパワートレインは、2.7L直4ガソリンエンジン+6速AT。駆動方式は後輪駆動の2WDと4WDを全グレードで選ぶことができます。ハイエースワゴンの車両本体価格は、290万3600円〜403万9100円です。
●日産・エルグランド
国産ラージクラスミニバンのパイオニアである日産・エルグランド。現行モデルは2010年8月に登場し、現在までマイナーチェンジを重ねて、外観デザインや安全装備などを進化させています。
搭載しているパワートレインは、2.5L直4ガソリンエンジン+CVTと、3.5LV6ガソリンエンジン+CVTの2種類。どちらのエンジンも駆動方式は2WDと4WDを選ぶことができ、燃費性能は8.4〜10.0km/Lとなっています。
グレード構成はエアロパーツを装着したハイウェイスターが中心ですが、4人乗り仕様のVIPを設定しているのが特徴です。エルグランドの車両本体価格は、403万8100円〜837万8700円です。
●日産・キャラバンワゴン
現行型の日産・キャラバンワゴンは、2012年にNV350キャラバンとして登場し、2021年10月のマイナーチェンジの際にキャラバンへと名称を変更しています。
キャランバンワゴンのグレード構成は、ロングボディ・標準ルーフのDX、EX、GX。そしてスーパーロングボディ・ハイルーフのGXの4種類となっています。乗車定員は全車10人乗りで、駆動方式は全グレードで2WDと4WDを選ぶことができます。
搭載されているパワートレインは、2.5L直4ガソリンエンジン+7速ATの1種類で、燃費性能は8.3〜8.9km/Lとなっています。キャラバンワゴンの車両本体価格は、320万9800円〜423万7200円です。
●三菱・デリカD:5
デリカD:5は、三菱の1BOXタイプミニバン、デリカシリーズの第5世代モデルとして2007年1月に登場し、約16年販売されているロングセラーミニバンです。2019年にビッグマイナーチェンジを行い、現在販売されているモデルに進化しました。
外観デザインは三菱のフロントデザインコンセプトである「ダイナミックシールド」を採用しています。
搭載されているパワートレインは、2.2L直4ディーゼルターボエンジン+8速ATで、駆動方式は4WDのみ。燃費性能は12.6km/Lを実現しています。
D:5とD:5アーバンギア2つのモデルを設定しており、車両本体価格は、400万1800円〜457万7100円です。
●メルセデス・ベンツ Vクラス
輸入車プレミアムミニバンの人気モデル、メルセデス・ベンツVクラスの現行モデルは、2015年に日本市場に導入されました。
走行性能と快適性能を向上させるため、サスペンションには「アジリティコントロールサスペンション」を採用。また駆動方式は、後輪駆動の2WDを採用し、5mを超えるボディにもかかわらず、取り回しの良さが特徴です。
搭載しているパワートレインは、2022年に一部改良された最新の2L直4ディーゼルターボエンジン+7速ATで、燃費性能は12.8〜13.2km/Lを実現しています。
Vクラスの車両本体価格は、926万円〜1330万円です。
●ミドル&コンパクトクラスでもトヨタ車の人気は盤石
【ミドルクラス】
●トヨタ・ノア
国産ミドルクラスミニバンでベストセラーモデルとなっているのが、トヨタ・ノアです。4代目となる現行モデルは2022年1月に登場。TNGAプラットフォーム(GA-C)を採用し、ボディサイズは全グレードが3ナンバーサイズとなりました。
搭載しているパワートレインは、2L直4気ガソリンエンジン+CVTと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は、ガソリン車だけでなくハイブリッド車でも2WDと4WDを選ぶことができ、燃費性能は14.3〜23.4km/Lです。
グレード構成は、従来モデルと同様に、標準車とエアロモデルの2種類を用意したノアの車両本体価格は、267万円〜389万円です。
●トヨタ・ヴォクシー
ノアの兄弟車であるトヨタ・ヴォクシーの現行モデルは、2022年1月に登場しました。怪しく光る特徴的なフロントライトを採用した外観デザインが特徴です。
搭載しているパワートレインは、2L直4気ガソリンエンジン+CVTと1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は、ガソリン車だけでなく、ハイブリッド車でも2WDと4WDを選ぶことができます。
グレード構成はエアロモデルだけとなり、車両本体価格は309万〜396万円と、ノアより高めに設定されています。
●日産・NV200バネット
5ナンバーサイズミニバンの日産・NV200バネットは、2009年5月に発売。全長4.4m、全幅が1.7mの5ナンバーサイズのボディに、2列シート5人乗りと、3列シート7人乗りのワゴンの2タイプを設定しています。
搭載されているパワートレインは、1.6L直4エンジン+CVTの1種類で、駆動方式は2WDのみというシンプルなグレード構成で、燃費性能は13.4km/Lを実現しています。車両本体価格は、233万2000円〜249万8100円です。
●日産・セレナ
現行型の日産・セレナは、2022年11月に登場しました。ライバル車が全車3ナンバー化したのに対して、セレナはグレードによって5ナンバー車と3ナンバー車があるのが特徴です。
搭載しているパワートレインは、2L直4ガソリンエンジン+CVTと、1.4Lエンジンで発電し、モーターを駆動させて走行するe-POWERの2種類。駆動方式は2WDを中心に、2L車に4WDを設定。燃費性能は11.6〜20.6km/Lとなっています。
グレード構成は、標準系のX、XV、そして人気のハイウェイスターに加えて、プロパイロット2.0を搭載したルキシオンを用意しており、車両本体価格は、276万8700円〜479万8200円です。
●ホンダ・ステップワゴン
現行型のホンダ・ステップワゴンは、2022年5月から販売開始されました。全長が約4.8m、全幅1.75mの3ナンバーサイズ化したボディと、2,890mmというロングホイールベースを採用で、走りや静粛性の質感をアップしているのが特徴です。
搭載されているパワートレインは、1.5L直列4気筒ターボ+CVTと、e:HEVと呼ばれる2Lエンジンと2つのモーターを組み合わせたハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は2WDを中心に、ターボ車にのみ4WDを設定。燃費性能は13.1〜20.0km/Lとなっています。
グレード構成は、エアー、スパーダ、そして豪華装備のスパーダプレミアムラインの3モデルで、車両本体価格は、305万3600円〜391万2700円です。
●スズキ・ランディ
現行型スズキ・ランディは、2022年8月から販売開始しました。このモデルからランディは、トヨタ・ノアのOEM供給車となり、3ナンバーサイズのボディにロングスライドが可能なセカンドシートを採用しています。
搭載されているパワートレインは、2L直4気ガソリンエンジン+CVTと、1.8Lエンジン+モーターのハイブリッドシステムの2種類。駆動方式はガソリン車だけでなく、ハイブリッド車でも2WDと4WDを選ぶことができ、燃費性能は14.3〜23.2km/Lを実現。
乗車定員はガソリン車が8人乗り、ハイブリッド車が7人乗りとなっています。
ランディの車両本体価格は、310万6400円〜369万7100円です。
●フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーラン
7人乗りミニバンのVW・ゴルフトゥーランは、2016年1月に日本市場に導入されました。ボディサイズは全長約4.5m、全幅1.83mと取り回ししやすく、リアにはヒンジ式ドアを採用しています。
販売開始から7年が経過し、現在搭載されているパワートレインは1.4L直4ガソリンエンジン+7速DSGと、1.5L直4ディーゼルエンジン+7速DSGの2種類。駆動方式は2WDのみで、燃費性能は14.7〜16.3km/Lとなっています。
ゴルフトゥーランの車両本体価格は443万5000円〜517万8000円です。
●シトロエン・ベルランゴロング
シトロエンのベストセラーMPVであるベルランゴに、3列シート7人乗りのロングボディバージョン、ベルランゴロングが2023年1月に追加されました。
5人乗りに比べて約375mm延長されたボディには、前後スライドが可能な2列シートに加えて、3列シートをレイアウト。セカンド&サードシートを畳めば最大2,693リットルまでラゲッジ容量は拡大します。
搭載しているパワートレインは、1.5L直4ディーゼルターボエンジン+8速AT。駆動方式は2WDのみで、燃費性能は18.1km/Lを実現しています。
2グレードを用意したベルランゴロングの車両本体価格は、443万3000円〜455万4000円です。
●プジョー・リフターロング
2023年1月に導入されたプジョー・リフターロングは、5人乗り2列シートのリフターをベースに、全長とホイールベースを延長し、7人乗り3列シート化したミニバンです。スライド可能な3列シートは折りたたみだけでなく脱着も可能。ラゲッジルームは最大で2,693リットルまで拡大します。
搭載されているパワートレインは、1.5L直4ディーゼルターボエンジン+8速AT。駆動方式は2WDのみで、燃費性能は18.1km/Lを実現しています。
さらに、悪路走破性を高めた5つの走行モードを選べる、アドバンスドコントロールを搭載しているのが特徴です。
リフターロングGTの車両本体価格は、455万円です。
●フィアット・ドブロマキシ
2023年5月に日本市場に導入されたフィアット・ドブロは、シトロエンベルランゴやプジョーリフターの兄弟車にあたるモデルです。5人乗りのドブロに加えて、7人乗りのドブロマキシを用意しています。ブラックバンパーを採用し、最もビジネスバンに近い雰囲気を醸し出しています。
搭載しているパワートレインは、1.5L直4ディーゼルターボエンジン+8速AT。駆動方式は2WDのみで、燃費性能は18.1km/Lを実現しています。
ドブロマキシの車両本体価格は429万円となっています。
■コンパクトクラス
●トヨタ・シエンタ
トヨタ・シエンタは、国産コンパクトクラスミニバンで最も人気の高いモデルです。2022年8月に登場した現行モデルも、5ナンバーサイズをキープしています。
搭載されているパワートレインは、1.5L直3ガソリンエンジン+CVTと、1.5Lエンジンのハイブリッドシステムの2種類。駆動方式は2WDを中心にハイブリッド車のみ4WDを選ぶことができ、燃費性能は18.3~28.8km/Lです。
車両本体価格は、195万円〜310万800円となっています。
●ホンダ・フリード
現行型のホンダ・フリードは、2016年9月に登場した国産コンパクトクラスミニバンのロングセラーモデルです。
搭載されているパワートレインは、1.5L直4ガソリンエンジン+CVTと、1.5Lエンジンのハイブリッド+7速DCTの2種類。両方のパワートレインで2WD、4WDを選べます。燃費性能は15.6〜20.9km/Lを実現しており、フリードは、クロスオーバーテイストのクロスターを設定しているのが特徴です。
車両本体価格は、233万900円〜319万8800円です。
(文:萩原 文博/写真:トヨタ自動車、日産自動車、スズキ自動車、萩原 文博)