日本初、公道での「レベル4自動運転」を「永平寺参ろーど」内で開始したヤマハ発動機の車両と技術

■車両や車両制御の各種技術、管制システムなどを担当

2023年5月22日(月)、福井県永平寺町において、日本で初めて自動運転「レベル4」の自動運転移動サービスが開始されました。なお、本格的なサービス開始は、5月28日(日)から行われています。

ヤマハ発動機は、車両提供や車両制御に関連する各種技術、管制システムを担当
ヤマハ発動機は、車両提供や車両制御に関連する各種技術、管制システムを担当

福井県永平寺町では、2021年度から経済産業省と国土交通省により共同で進められてきた「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(「RoAD to the L4」)」において、自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験が行われてきました。

永平寺町で実施されてきた実証実験は、2023年3月30日に道路運送車両法に基づく自動運行装置として認可されました。また、同年5月11日付けで道路交通法に基づく特定自動運行の許可を取得。

福井県永平寺町から運行を委託された「まちづくり株式会社ZENコネクト」によるレベル4での自動運転移動サービスが、このほどスタートしたことになります。

自動運転車両は、ヤマハ発動機、産業技術総合研究所(産総研)、三菱電機、ソリトンシステムズ(ソリトン)により開発が行われてきました。日本初の「レベル4」自動運転移動サービスの開始に先立ち、5月22日に西村康稔経済産業大臣の参加のもと、サービス開始の式典が開催されました。

サービス開始に先立ち開催された式典の様子
サービス開始に先立ち開催された式典の様子

産総研が幹事機関になった自動運転車両。先述したように、永平寺町でレベル4自動運転移動サービスの実現を目指した、自動運転車の実証実験として推進されてきました。

ヤマハ発動機は、車両提供や車両制御に関連する各種技術、管制システムを担い、三菱電機が各種センサーを含む車両制御システムを、ソリトンが遠隔監視システムとその通信を担当。車両は、道路に埋設された電磁誘導線を読み取るとともに、各種センサーなどで周囲の環境を認識して自動運行し、オペレーターによって遠隔監視されます。

レベル4による自動運転移動サービスは、公道における特定条件範囲内で「永平寺参ろーど(全長約8km)」内の荒谷~志比区間(約2km)を走行。筆者も永平寺を訪れた際に「永平寺参ろーど」を少し歩いたことがありますが、のどかな田園風景が広がる郊外路でもあります。

ヤマハ発動機では、2022年2月発表の中期経営計画(2022~2024年)において、新規事業と成長事業を戦略事業領域と位置づけ、コア事業に育てるための経営資源を配分するポートフォリオマネジメントを推進中。新規事業のひとつとして、公共交通機関にアクセスできない地域の移動課題の解決を目指す構えです。

(塚田 勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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