■ホイールベースを180mm延長し、広いだけでなく豪華な空間を演出
ロールス・ロイスがカリナン、そしてフェラーリがプロサングエをラインアップしたように、ラグジュアリーブランドでもSUVは必須のアイテムと言えます。
ラグジュアリーブランドの中で、ベントレーはいち早く2015年にベンテイガを発表。ラグジュアリーSUVのパイオニアとして進化し続けています。
2022年ベントレーブランドの世界販売台数は、2021年を4%上回る1万5174台となり、その40%強をベンテイガが占めるというコアモデルになっています。
そしてベンテイガは2022年5月に、ロングホイールベースモデルの「ベンテイガ・エクステンデッド・ホイールベース(以下EWB)を発表。いよいよ2023年3月に日本に上陸し、3月31日~4月2日まで、東京・六本木ヒルズにあるヒルズカフェにて特別展示が開催されています。
ベンテイガEWBはベンテイガのホイールベースを延長したモデルではなく、ベントレーのフラッグシップモデルだったミュルザンヌを受け継ぐモデルに仕立てるために、ベントレーは莫大な投資を行っています。
ベンテイガEWBは車両本体価格2802万8000円のスタンダードモデルと、3162万5000円のアズールという2モデルが設定されており、今回展示されているのはアズールです。
ベンテイガEWBは全長5,305mm×全幅1,995mm×全高1,775mm。ホイールベースは3,175mmとなっています。ベンテイガより180mmホイールベースを延長し、その拡大分がすべてリアキャビンスペースに当てられています。
しかし、ベントレーのこだわりは、ただホイールベースを延長するだけでなく、ホワイトボディのアンダーフロア、サイドパネル、ドア、ルーフなどに変更を加え、ベンテイガのボディラインとプロポーションが醸し出す独特のスタイルと存在感を損なわないよう、緻密にデザインされています。
ベンテイガEWBに搭載されているエンジンは、最高出力550ps、最大トルク770Nmを発生する4L V型8気筒ツインターボで、8速ATが組み合わされています。駆動方式にはフロント40:リヤ60というトルク配分のアクティブAWDと呼ばれる4WDシステムを採用しています。
ベンテイガEWBの車両重量は2.5トンを超えるヘビー級ですが、最高速度290km/h、0-100km/h加速4.6秒というパフォーマンスを発揮します。
ベンテイガEWBのキャビンは、他のラグジュアリーSUVと比較しても40mm以上長く、クラストップの広さを誇ります。また、ヘッドクリアランスはミュルザンヌより10mm広くなっていますが、ルーフラインはライバル車より100mm低く、スポーティなシルエットとなっています。
ベンテイガEWBは4人乗り、5人乗りシートに加えて、新設計の4+1シートを設定。
標準設定の4+1シートは後席左右席を16通りに調整可能なうえ、ヒーター、ベンチレーター、左右独立のマッサージプログラム5種類などで、至高の乗り心地を提供します。
さらに、広くなったキャビンに合わせて、「ベントレーエアラインシートスペシフィケーション」が設定されます。この機能はシートが40度までリクライニングし、背中を伸ばした快適な姿勢で睡眠を取ることができます。
リクライニング角度は、タッチスクリーンリモートで操作します。タッチスクリーンリモートはベントレー独自の携帯型デバイスでタッチスクリーンを介して、後席から様々な機能を操作できます。
ベンテイガEWBには、このベントレーエアラインシートスペシフィケーションのほかに、設定温度を6段階から選択できる「シートオートクライメート」、体にかかる圧力を分散させるなどの姿勢調整機能の「ポスチュラルアジャスト」など、4つの注目機能が搭載されています。
また、ハンドクラフトレザーから光がきらめく「ベントレーダイヤモンドイルミネーション」の初採用や、トリムだけで240億通りの組み合わせから選べるなど、目の肥えたユーザーを満足させる装備が満載です。
また、展覧会場では株式会社Ari・gateホールディングスの運営する、日本初となる4060通りの組み合わせの中から、自分好みの香りをその場で調合して、ヘアーオイルやシャンプー、トリートメントを作れる販売店『inioi Lab.(イニオイラボ)』とのコラボによる香りの調合体験を、3日間を通じ13:00-19:00の間で行うことができます。
3000万円のラグジュアリーSUVであるベンテイガEWBを手に入れるのはなかなか難しいですが、クルマと同じ空間にいて雰囲気を味わうだけでも心が満たされると思います。
(文・写真:萩原 文博)