Mr. ソラン 
目次
■トヨタが企画、スバルが開発・生産を担当して誕生
2012（平成24）年3月28日、スバルの「BRZ」が発売されました。
BRZは、トヨタと共同開発したFRの本格ライトウェイトスポーツで、兄弟車のトヨタ「86」は翌月にデビュー。BRZのネーミングは、ボクサー（水平対向）エンジンの“B”、リアホイールドライブの“R”、ゼニス（究極）の“Z”の組み合わせです。
●トヨタとの提携の目玉として誕生したBRZ／86
スバルは、1968年以来、日産自動車と提携関係にありましたが、1999年にGMと業務提携を締結。その後、GMの経営悪化を受けて、2005年にトヨタと資本提携に至り、2008年にはダイハツも含めてさらに強固な協力関係を築くことに合意します。
この中で、FRのライトウェイトスポーツをトヨタとスバルが共同開発し、両社で市場展開することが取り決められました。目指したスポーツモデルは、スバルのコア技術である水平対向エンジンを搭載したもので、新しいプラットフォームをベースに2011年末の市場投入を目指す、という具体的な目標が掲げられたのです。
コンセプトは、「新しい次元の運転する愉しさ」で、企画をトヨタ、開発と生産をスバルが担当する共同開発によって進められました。
●スバルとトヨタの技術が融合したライトウェイトスポーツ誕生
トヨタとスバルの技術が結集したライトウェイトスポーツのスバルBRZが、2012年のこの日、兄弟車のトヨタ86は翌月4月6日から発売が始まりました。
スポーツカーらしい典型的なロングノーズの流線型フォルムのボディ、搭載エンジンはスバル自慢の2.0L DOHC水平対向エンジンです。これに、トヨタのガソリン直噴「D-4S」システムを組み合わせ、NA（無過給）ながら200PSを発揮、トランスミッションは6速のMTとATが用意されました。
低重心で軽量コンパクトな水平対向エンジンの特徴を生かし、さらにFR駆動によって高性能で俊敏な走りを実現したBRZの完成度は高く、当初の受注台数は3500台を超え、その後も堅調な販売を続けて、冷え込んでいるスポーツカー市場で健闘しました。
●スバルBRZとトヨタ86の最大の違いはフロントマスク
兄弟車スバルBRZとトヨタ86の最大の違いは、フロントマスクです。
フロントグリルの形状が対照的で、スバルBRZは逆台形のグリルとヘッドランプを囲むように配置されたコの字型車幅灯で、全体的にソフトなイメージ。
対するトヨタ86のグリルは台形で、一直線に配置した車幅灯でスポーティなイメージが特徴です。その他にも、バンパーやリアコンビランプなど、細部に違いが見られます。
走行性能については、BRZは後輪のサスペンションが柔らかめに設計され、安全性を高めて安定した走行を重視し、誰でも安心して運転が楽しめるように設定。
一方のトヨタ86は、機敏なハンドリングによってFRらしい走りを楽しむ設定となっています。
車両価格ですが、スバルBRZはスポーツグレードが337万円、トヨタ86のスポーツグレードが348万円と、スバルBRZの方が若干低い設定です。
BRZ／86は、2021年により高性能化した2代目へと移行し、また2022年にはトヨタとの共同開発で、スバル初の電気自動車スバル「ソルテラ」（トヨタは、「bZ4X」）が発売されました。今後も、スバルの個性的な技術とトヨタの卓越したブランド力を融合させた新しいクルマに期待したいですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
（Mr.ソラン）
