ヤマハがヤマハ発動機のEVバイクレンタル開始!観光ガイド付き、13ヶ国の言語に対応し、代官山と伊豆大島から開始

■EVバイク「E-Vino」を1100円からレンタル可能

ヤマハ株式会社は「多言語対応EVバイクレンタルサービス」を2023年3月16日にスタートしました。

ざっくりいえばヤマハ発動機製のEVバイク「E-Vino」を時間単位でレンタルできるサービスなのですが、これ、じつは「ヤマハ株式会社」と「ヤマハ発動機」の技術の粋が組み合わされた画期的なサービスでもあるんです。

●13ヶ国語に対応したコミュニケーションツールを活用

ヤマハはEVバイクレンタルサービスをスタート。まずは代官山と伊豆大島にレンタル拠点を設置した
ヤマハはEVバイクレンタルサービスをスタート。まずは代官山と伊豆大島にレンタル拠点を設置した

「多言語対応EVバイクレンタルサービス」は、ヤマハと東京都が共同で行う事業です。まずは代官山・蔦屋書店と伊豆大島の2拠点で、EVバイク「E-Vino」の時間貸しがスタートしました。ちなみに、レンタル拠点は今後順次拡大していく計画だそう。

このレンタルサービス、なんといってもユニークなのが、13ヶ国語という多言語に対応している点。外国人観光客の利用を見込み、レンタル受付とのやりとりや、レンタル中の問い合わせやトラブル処理に、多言語で対応する体制を整えているのです。

「体制」といいましたが、サービス事業者側に13ヶ国語を話せるスタッフが控えているかといえば、さにあらず。ユーザーは専用サイトや専用タブレットを通じて、テキストやビデオ通話でレンタル受付や問い合わせを行えるのですが、そこに活用しているのがヤマハ開発の音声認識機能+自動翻訳機能です。

たとえば、英語話者のユーザーがバイクの使用方法を問い合わせるために「Could you tell me how to use this machine?」とビデオ通話で話しかけると、スタッフ側には「このマシンの使い方を教えてください」と日本語表示がされる仕組みになっているんです。

なお、本レンタルサービスは「観光ガイダンス付き」で、各スポットの説明ムービーを多言語解説で視聴することも可能になっています。

●バッテリーは交換式

レンタルするEVバイク「E-Vino」のバッテリーは交換式
レンタルするEVバイク「E-Vino」のバッテリーは交換式

EVバイクレンタルサービスの利用手順は、次のとおり。

1. 特設サイトから予約
2. レンタルスポットに来店してEVバイクとヘルメット、グローブ、鍵を受け取る
3. 安全講習動画やルートマップを確認して出発
4. 観光スポットを巡って音声ガイドを楽しむ

料金は30分のお試しが1100円、3時間2750円、5時間3850円という設定で、延長の場合は15分ごとに550円かかります。

「音のプロ」であるヤマハ株式会社と、「モビリティのプロ」であるヤマハ発動機の技術が組み合わされたことで完成したのが本サービス
「音のプロ」であるヤマハ株式会社と、「モビリティのプロ」であるヤマハ発動機の技術が組み合わされたことで完成したのが本サービス

「E-Vino」は原付車両なので、普通自動車免許を所有している方なら乗車可能。訪日外国人の場合は、「国際免許Aクラス(二輪)とパスポートをご提示いただければ利用できます」とのこと。なお、車両には自賠責保険と任意保険が付帯しています。

ちなみに「E-Vino」のバッテリーは交換式。各拠点には充電済みのバッテリーを収納したロッカーが設置されているので、残量が少なくなったらバッテリーチェンジすればすぐ再スタートOK。走行距離が長めになる伊豆大島には、バッテリーの交換スポットが複数箇所用意されています。

●東京都は2035年までにガソリン二輪の新車販売をゼロに

ヤマハEVバイクレンタルサービス開始式には、小池百合子東京都知事と小島よしお氏が登壇
ヤマハEVバイクレンタルサービス開始式には、小池百合子東京都知事と小島よしお氏が登壇

本サービスは二輪車の非ガソリン化に向けて東京都と民間事業者が共同で行う「EVバイク等利活用促進事業」の一環。「ヤマハEVバイクレンタルサービス開始式」と題された報道関係者向けイベントには、小池百合子東京都知事も登壇しました。

ゲストの小島よしおさんはこのEVバイクに乗ったことがあるとのことで、小池都知事は「あ、あの”出”で始まる人の番組でしょ」と的確なツッコミで、笑いを取りました。

小島よしおさんは、ご自身のギャグを交え「”そんなのカンケーね〜”と言わずに環境問題を自分のこととして捉えてほしい」と真面目な一面を見せ、小池都知事から、「これからは”ゼロエミよしお”と改名しては?」とオファーされました。小島氏は「ゼロエミ=ゼロ笑み」とも受け取れることから「ギャグが滑ってもその名前なら大丈夫かなぁ」と真剣に検討する、として周囲を笑いに巻き込みました。

東京都はCO2を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション東京」の実現に向け、都内で新車販売される二輪車を2035年までに100%非ガソリン化することを目指しているそうで、国だけでなく都としてもEVバイクに補助金を交付しています。小池知事もイベント内で、「EVバイクは高価に思われるかもしれませんが、国と都の補助金を合わせれば、ガソリン車と同じ価格で購入が可能です」と説明していました。

いきなりEVバイクはハードルが高い……とお考えの方も、お試しがてら本サービスを利用してみても良いかもしれませんね。

(文:三代やよい/写真:小林和久)

この記事の著者

三代やよい 近影

三代やよい

自動車メーカー勤務後、編集・ライティング業に転身。メカ好きが高じて、クルマ、オートバイ、ロボット、船、航空機、鉄道などのライティングを生業に。乗り継いできた愛車は9割MT。ホットハッチとライトウェイトオープンスポーツに惹かれる体質。
生来の歴女ゆえ、名車のヒストリーを掘り起こすのが個人的趣味。
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