ダイハツ「フェローバギィ」発表。53年前の日本ではバギーがナンバー付きで公道を走ってた【今日は何の日?2月6日】

■究極の遊びクルマは限定100台で販売

今から53年前の1970(昭和45)年2月6日、ダイハツが「フェローバギィ」を発表、発売は4月から限定100台で始まりました。フェローバギィは、フェローの軽商用車「フェローピックアップ」をベースにした、オープンボディの遊び心満載のバギーカーです。

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1970年に発表されたフェローバギィ(スピード)

●ベースとなったのは、フェローのピックアップ

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1966年にデビューしたフェロー。ダイハツが初めて投入した軽乗用車

初代「フェロー」は、ダイハツ初の軽乗用車として1966年に誕生。軽商用車で実績のあったダイハツが、満を持して初めて軽乗用車市場に投入した自信のモデルでした。

角型ボディに角型ヘッドランプが特徴で、FRレイアウトで360ccの空冷2ストローク2気筒エンジンを搭載。乗り心地の良さや運転のしやすさ、信頼性が評価されて順調に販売を伸ばしました。

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1966年にデビューしたフェローピックアップトラック

そして、フェローのバリエーションのひとつとして登場したのが、軽商用モデルのフェローピックアップです。

ダイハツには、軽貨物の「ハイゼット」が先にヒットしており、それを意識してハイゼットで使われていた空冷2気筒を水冷化してフロントに搭載したFRレイアウトを採用、これがフェローバギィのベースとなったのです。

●モーターショーで3タイプのバギーカーを披露

フェローバギィが初めて披露されたのは1968年の東京モーターショーです。「スピード」「ピーチ」「カントリー」の3タイプのバギーカーが、フェローバギィとして展示されたのです。

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1970年に発表されたフェローバギィ(カントリー)
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1970年に発表されたフェローバギィ(ピーチ)

FRP(繊維強化プラスチック)製のドアなしのオープンボディ、車輪が剥き出しで前輪から後輪にかけて大きく波打ったフェンダー、大型ロールバーなど、遊び心満載のパーソナルカーでした。

エンジンは、356ccの水冷2ストローク2気筒で、スピードとピーチには最高出力32PSのフェローSS用が、カントリーには標準的な23PSエンジンが搭載されました。コンパクトなボディで、車重がフェローより55kgも軽かったので、小気味よく走れたそうです。

発売されたのは、ピーチをベースにした1グレードのみで、モーターショーの2年後、1970年4月に限定100台で販売。話題性は高かったものの、販売は低調でした。まったくの遊びのクルマと言えるフェローバギィ、当時はレジャーのためだけに1台を所有することはまだまだ難しかったのです。

●現在、通常は50cc以上のバギーカーの公道走行はできない

バギーは、1960年代に空気圧の低い大きなバルーンタイヤを履いた3輪タイプで始まったとされています。3輪バギーは、スポーツタイプやユーティリティタイプなど広く人気になりましたが、フロントが1輪では安定した走行が時にできず事故が多発したため、1980年代には安全な4輪バギーが主流になり、その頃、日本でも流行り始めました。

現在も、自然の中でバギーに乗ってオフロードを楽しむ人を見かけます。しかし、日本では基本的にバギーの排気量は50cc以下となっており、法的にはミニカー扱いです。

それ以上の大きいバギーもありますが、安全面などでナンバープレートの取得は難しいようです。したがって、私有地で楽しむことはできても、公道では走行できません。

フェローバギィが登場した頃は、排ガス規制も安全基準も(今日と比べれば)緩かったので、こんな楽しいクルマも市販化され飛び出してきたのでしょう。


現在でもバギーカーの楽しさは健在しています。バギーカーで公道を走ることは難しいですが、大自然を走り回るアドベンチャー的な乗り物としての人気を獲得しているようです。ある意味、究極の遊びクルマと言えますね。

毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれません。

Mr.ソラン

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Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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