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■CUSCOのイメチェン?ビジュアルに振った出展車たち
競技用パーツなどでその名を轟かせているCUSCOですが、今年の出展ブースはこれまでの雰囲気とは大きく変わった感があります。特に出展車両ではラリーマシンなどではなくビジュアルに振ったショーカーっぽいモデルを出展していました。
●FAIRLADY Z Rocket Bunny Version
魅せる方向に仕立てられたフェアレディZのデモカー。
ワイドボディ系エアロパーツで名を馳せるRocketBunnyのPANDEMブランドから出されたRZ34フェアレディZ用のロングノーズワイドボディキットを装着。これまでのCUSCOには無かったビジュアル要素が際立ちます。
当然ながらタワーバーなどCUSCOのお家芸ともいえるボディ補強パーツが取り付けられています。
サスペンションキットはストリート向けのものが装着されているとのことですが、車高はきっちりと落としてきていますし、タイヤやホイールもワイドボディ化に合わせながらツライチに装着。
内装もBRIDEのリクライニングバケットシートに換装され、とにかく見た目のカッコよさに溢れています。
CUSCOがフェアレディZを手掛けるならフォーミュラドリフトに出そうなバリバリの競技用で来るかと思いきや、ショーカークオリティのモデルを出してきたことで、いい意味で裏切られた感が強い出展と言えるでしょう。
●GR86 CROSSOVER CONCEPT
いい意味で裏切られたと言えば、GR86をクロスオーバーにしてしまったモデルもそういえるでしょう。
こちらのGR86 CROSSOVER CONCEPTは一見ラリーマシンに見えなくもないですが、昨今ブームとなりつつあるオフロード系ハイリフトの流れに沿った作り込みがなされています。
ハイリフトにしたサスペンションにオフロードタイヤを組み合わせ、フェンダーアーチにはフェンダーガードを延長したようなオーバーフェンダーが装着されます。
駆動はFRのまま、サスペンションはストロークを生かして接地性を上げるという考え方なのでバギーライクな乗り味になるのではないでしょうか。
ラリーのノウハウをふんだんに詰め込んでいるので走破性に関してはFRでも問題ないような気がします。そして過酷なオフロード走行でも揺るぎないボディ強度を保つための補強パーツも取り入れられています。
このGR86 CROSSOVER CONCEPTも見た目の強烈なインパクトがあり、やはり魅せるという部分に特化してると言えるでしょう。
ただ奇をてらったということではなく、これらを魅せることができる技術力の裏付けが無ければこのようなモデルは作ることが出来ないのではないでしょうか。
●カーボンニュートラルにも着手したCUSCO
トヨタのスーパー耐久における水素エンジンカローラのおかげでモータースポーツ界も急速にカーボンニュートラルにシフトしていっています。
競技向けサプライヤーとしてのCUSCOもカーボンニュートラルの分野に着手し、今回はカーボンニュートラル素材を使ったシートベルトと、本来は廃棄されてしまうことが多い桐生織の端切れやサンプル材を使用したシートベルトパッドを出展。
このシートベルトやシートベルトパッドはTOYOTA GAZOO RACINGブースに出展されたAE86 EV CONCEPTやAE86 H2 CONCEPTにも採用されています。
またCUSCOでは、部品在庫が不安になってきている旧車向けのリプレイスパーツなども出展していました。
自動車の文化遺産ともいえる国産旧車を末永く維持していくためにCUSCOのノウハウが生きるデフやサスペンション、ボディ補強パーツなどが様々にラインナップされています。
環境保護と文化的保護の両面でCUSCOの技術が生かされています。
(写真・文:松永 和浩)