「ウルトの名を日本にも!」アジアクロスカントリーラリーに参戦した「TRDハイラックス135号車」が20位完走!

■ウルトは2023以降の参戦継続を宣言

●第27回アジアクロスカントリーラリー(AXCR)2022は20位完走!

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5日間1500kmの行程を18時間0分48秒で完走した135号車

昨2022年11月下旬、第27回アジアクロスカントリーラリー(AXCR)2022に、ゼッケン135をつけたウルトカラーのTRDハイラックスMSBで「WÜRTH TRD Hilux MSB Tras135」として参戦した新田正直選手とコ・ドライバーの松井勉選手が、ウルトジャパン本社を訪問し、参戦報告会を行いました。

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AXCR WURTH

この135号車が今回初参戦したAXCRは、東南アジアを舞台に、1996年から開催されているFIA・FIM公認国際クロスカントリーラリーです。

新型コロナウィルス感染症拡大の影響もあって、2020年・2021年の2大会は中止。また、2022年大会も毎年8月に開催されてきたわけですが、その収束を待って11月に延期されたため、実に3年半ぶりの開催となりました。

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アジアクロスカントリーラリー2022に参戦した135号車の新田正直ドライバーと永田裕介ウルトジャパン代表取締役社長、そして松井勉コ・ドライバー

新田選手は、以前からこのクロスカントリーラリーへの参戦を目論み、2020年シーズンからTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジでラリー競技に挑戦を開始。そして、今回のAXCR初挑戦に、海外のラリーレイド経験の豊富なモーターサイクルジャーナリストである松井選手がコ・ドライバーとして新田選手をサポートする形で参戦しました。

●参戦サポートをした「WURTH(ウルト)」とは?

WURTH
「レースへ協賛するにあたり『環境にやさしい』ということも方針としてあります。今回の135号車は天然繊維を使用したカウルを使用するという今までにない挑戦もしており、それをクリアしていることもあってスポンサーしています」と永田社長

この新田選手の挑戦をサポートしたのが、WURTH(ウルト)です。

1945年にドイツのキュンツェルスアウでアドルフ・ウルトが創業した会社です。ネジの行商事業からスタートしており、その社名ロゴの横にある「W」を模した赤いロゴマークの図柄が、ネジの頭部形状の「平ネジ」と「ナベネジ」から取られているのがその始まりをよく表しています。

現在は、その息子であるラインホルト・ウルト氏が会長を務めていますが、このラインホルト会長の下、ネジだけでなく工具やケミカルなどへと発展し事業を展開しており、売上高2兆5000億円、グループ会社420社、8万人の従業員を抱える巨大企業であります。

日本国内では自動車産業での展開がメインで、事業もそのほぼすべてが自動車関連となるわけですが、全世界のウルト本体では、自動車/建設/一般工業でほぼ三分しているバランスのよい会社で、まだまだ成長を続けているということです。ほぼ自動車業界だけで事業展開している日本法人も、13年連続増収という優良企業と言えます。

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135号車のメカニックたちが使う工具やケミカルはウルトのものになる。普段手にしてはいないものだったが、現地のメカニックからも好評だったようだ

欧米でのウルトは、モータースポーツの世界でも実績があるものの、自動車業界の会社にしては、日本国内でのイメージはあまりないのも実情です。

ウルトジャパンは、2022年がその創立35周年の記念すべき年となりました。が、これまで輸入車や商用車での展開が中心。日系自動車メーカーへも、もっと展開をして行くため、更なる認知向上を図りたい。実際に、自動車のプロに気に入って使っていただけるものということを、いかに認知してもらえるか?

ということで、モータースポーツへのスポンサーシップに力を入れ始めたと言います。

●モータースポーツ全般にウルトの名を広めたい

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ラリージャパン2022では、ウルトブースも出展していた

モータースポーツファンなら、F1やナスカーでもこのロゴを見たことがあるでしょう。また、日本国内では、近年ラリー北海道のメインスポンサーを務め、さらにそのラリーつながりで昨2022年に開催されたラリージャパン2022でも、豊田スタジアムでブースを出展するなど、ラリー業界では積極的な活動を行っています。

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ラリージャパンのSS沿道ではウルトのフラッグも見かけることができた

「その商機を見ていて、マーケットを広げるという意味で、スポンサーをやっていく意味は大きいと思っています。ラリーファンは大会を問わずラリーを追いかけている方が多く、その先々でウルトのロゴを目にする機会を増やすのは複合的に効果があると思います。ラリーはその一本軸として、今後もスポンサーを続けていきたいと思っています。他には、いわゆるサーキットなどでのレース、そして2輪にも広げていきたいとは考えています」と永田社長は語ります。

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AXCRへの協賛はウルト各法人の協力も得ている。こちらはウルトタイランドがセレモニアルスタートに出展したブース

そして、その中でこのAXCRへのスポンサーも実現することとなったと言います。

そもそもウルトでは、各現地法人がその環境に合わせてさまざまな協賛を行っています。ただ今回は、日本のTRDが車両を製作し日本人が搭乗しますが、競技の拠点およびスタート地点であるタイ王国、そしてゴール地点となるカンボジア王国というラリーレイドということで、「3ヵ国の法人が協力してサポートするという異例な体制でして、ウルトのグループ内を見ても初めてのケースと言えます」とのこと。

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5日間1500kmの行程を18時間0分48秒で完走した135号車

そのウルトカラーのハイラックスRevoは、最終日にスタックを喫したものの、18時間0分48秒のタイムで無事に完走を果たし、20位という結果を残しています。

2024年もAXCRへの挑戦をしますが、そのウルトとのタッグは引き続き継続されるといいます。ウルトカラーのマシンの引き続きの活躍に期待したいですね。

(青山 義明)

この記事の著者

青山 義明 近影

青山 義明

編集プロダクションを渡り歩くうちに、なんとなく身に着けたスキルで、4輪2輪関係なく写真を撮ったり原稿書いたり、たまに編集作業をしたりしてこの業界の片隅で生きてます。現在は愛知と神奈川の2拠点をベースに、ローカルレースや障がい者モータースポーツを中心に取材活動中。
日本モータースポーツ記者会所属。
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