遮音材とリヤシートを省いたライトウェイトスポーツの「ポルシェ911カレラT」予約受注が開始

■718ケイマンT、718ボクスターT、マカンTなどに続く新型911カレラT

圧倒的な再販価格(いわゆるリセールバリュー)を誇るポルシェ。SUVやBEVなどがリリースされても911の存在感は、薄まるどころか却って高まっているようです。日本だけでなく世界中の熱烈なファンの中には、今でも911でなくてはポルシェではないと思っている方も少なくないはず。

ポルシェ911カレラT
新型ポルシェ911カレラTの走行シーン

ポルシェに限らず、最近では、納期待ちの長期化により、新車と中古車の価格が逆転している現象も起きています。

そんな中、911に新たなファミリーが加わりました。

ポルシェジャパンは、ライトウェイトスポーツカーと表現する新型「911カレラT」の予約受注を2022年10月19日から開始しています。

911カレラTの「T」は、「ツーリング」の意味。「T」の歴史は、1968年に「ポルシェ911 T」がホモロゲーションを取得した時点にまでさかのぼります。この初代911 Tは、1973年まで生産されました。

ポルシェ911カレラT
新型ポルシェ911カレラTのリヤビュー

2017年になり、タイプ991世代でピュアな911としてポルシェ911カレラTが復活。それ以来、718ケイマンT、718ボクスターT、マカンTなど、他シリーズでも「ぜい肉をそぎ落とした特にスポーティなセットアップ」というコンセプトを具現化し、成功を収めています。

●7速MTのほか、デュアルクラッチトランスミッションの8速PDKも設定

新型911カレラTには、標準で7速MTが搭載されますが、8速PDKも設定されます。遮音材とリヤシートが省かれ、車高が10mm低くなる「PASMスポーツサスペンション」を特徴に持つ新型911カレラTは、ピュアで爽快な走りを楽しめるそう。

ポルシェ911カレラT
ポルシェ911カレラTのインテリア

高速道路やワインディングなどでのドライビングで、より印象的な存在感のあるサウンドを奏でる6気筒ボクサーエンジンからもライトウェイトスポーツであることを感じられるとしています。

同モデルは、911カレラと911カレラSの中間に位置づけられています。カレラTに搭載されるのは、911カレラから引き継がれた最高出力283kW(385PS)、最大トルク450Nmを発生する3.0Lツインターボエンジン。

ポルシェ911カレラT
7速MTのほか、8速PDKも用意

0-100km/h加速は4.5秒、最高速度は291km/hに達します。リミテッドスリップリヤディファレンシャルを備えた「ポルシェトルクベクトリング(PTV)」が追加されているほか、「スポーツクロノパッケージ」と「PASMスポーツサスペンション(-10mm)」も標準化されていて、こうした機能を385PSのエンジンと組み合わせることができるのは、911カレラTだけとなっています。

911カレラTでは、通常、カレラS以上のモデルにしか装備されない「リヤアクスルステアリング」もオプションで装着できます。

ポルシェ911カレラT
専用アルミホイールを備える

専用装備では、フロントが20インチ、リヤが21インチになる「チタニウムグレー カレラSホイール」に、フロントが245/35R20、リヤが305/30R21サイズのタイヤが装着されます。さらに、「GTスポーツステアリングホイール」や「スポーツエグゾーストシステム」「スポーツシートプラス(電動4ウェイ)」も標準装備。

ポルシェ911カレラT
軽量化のため、後席は省かれている

また、911カレラTのMT車の車両重量はわずか1470kgで、エントリーレベルのエンジンを搭載する市販モデルの911としては最軽量になっていて、8速PDKを標準で搭載する911カレラよりも35kg軽くなっています。後席と遮音材の削減に加え、軽量ガラスや軽量バッテリーを採用したことで、さらなる軽量化が果たされています。

●グレー系のアクセントカラーが効いているエクステリア

エクステリアは、アクセントとなるダークグレイのディテールが目を惹きます。ドアミラーの上下のトリム、新しいドアロゴとリヤのロゴ、リヤリッドグリルのトリムストリップなどにアゲートグレーが配色されています。

ポルシェ911カレラT
ポルシェ911カレラTのエクステリア

フロントガラスも、最上部がグレーになり、スポーツエグゾーストシステムのテールパイプは、ハイグロスブラックでペイントされ、ダイナミックな雰囲気が醸し出されています。

ボディカラーは、4色のソリッドカラー「ブラック」「ホワイト」「ガーズレッド」「レーシングイエロー」、4色のメタリックカラー「ディープブラック」「ゲンチアンブルー」「アイスグレー」「GTシルバー」を展開。

ポルシェ911カレラT
ポルシェ911カレラTのリヤビュー

加えて、スペシャルカラーとして、「チョーク」「ルビースターネオ」「カーマインレッド」「シャークブルー」「パイソングリーン」の5色も用意。さらに、110種類を超える色調の塗装がそろった「ペイントトゥサンプル」プログラムも設定されています。

ポルシェ911カレラT
ロゴマークなどがグレーになる

一方のインテリアでは、電動4ウェイの「スポーツシートプラス」が標準装備されたことで、スポーツ性を強調。マットブラックの装飾トリムと、ハイグロスブラックの装飾インレイが内装を引き締めています。

さらに、オプションで「カレラTインテリアパッケージ」が設定され、コントラストカラーのスレートグレーまたはリザードグリーンのセーフティベルトが用意されています。これらと同じカラーが、装飾ステッチやヘッドレストのエンボス加工された911ロゴ、シートセンターのストライプにも使われています。ほかにもオプションで、リザードグリーンとスレートグレーのコントラストカラーによるロゴとステッチが採用されたフロアマットも設定されています。

ポルシェ911カレラT
ポルシェ911カレラTのサイドビュー

このように、ポルシェといえば、多彩なオプションも魅力。911カレラTにも「アダプティブスポーツシートプラス(電動18ウェイ)」や「Race-Tex」のシートセンターを配してスポーツ性を向上させている超軽量フルバケットシートもオプションで選択できます。

ポルシェ911カレラT
ポルシェ911カレラTのスポーツシート

「カレラTインテリアパッケージ」は、オプションで「エクステンデッドレザーインテリア」を装備。同インテリアを選ぶと、センターコンソールとドアパネルのアームレストや、ダッシュボード上部、ドアパネルトリムもレザーになります。

●価格:1640万円(トランスミッション:7速MT/8速PDK、ステアリング位置:左右)

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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