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■モトクロス世界選手権で通算5度目の王座
ホンダは、2022年5月15日、2022 FIMモトクロス世界選手権の最高峰MXGP(450ccクラス)において、ホンダ・レーシング(HRC)の契約ライダーで、ワークスチーム「Team HRC」に所属するティム・ガイザー選手が、2022年シリーズの年間チャンピオンを獲得したことを発表しました。
ホンダのワークスマシン「CRF450RW」を駆るガイザー選手は、8月14日に開催された第16戦フィンランド大会で好結果を残し、残り2大会を残して見事に王座を確定。
ガイザー選手にとって、MXGPのチャンピオンは2年ぶり4度目。250ccマシンで競う下位クラスのMX2と合わせると、通算5度目の世界チャンピオン獲得となりました。
●2022年シーズンは全18大会30レースを予定
自然の地形を利用したセクションを設けたアウトドアのダートコースを使い、バイクをいかに速く走らせるかを競う競技がモトクロス。なかでも、世界で最も権威があるレースがFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が運営するモトクロス世界選手権です。
クラスには、450ccマシンなどで競うMXGPと、その登竜門といえる250ccマシンなどで競うMX2を設定し、いずれも1大会で2レースが行われるシステムを採用。
2022年シーズンは、モトクロスの発祥といわれるヨーロッパをはじめ、アジアや南米などの世界各地で、全18大会(30レース)で争われています。
●残り2大会(4レース)を残し王座を獲得
2月の第1戦イギリス大会で開幕した2022年シーズン。
最高峰クラスMXGPに参戦するホンダ・ワークスのガイザー選手は、第15戦スウェーデン大会の終了時点で全30レース中13レースで優勝。2回の3大会連続を含む8大会で総合優勝を獲得する活躍ぶりをみせ、ランキング2位とのポイント差を115として、チャンピオンに王手をかけていました。
そして、8月14日の第16戦フィンランド大会では、レース1を6位、レース2を7位でフィニッシュ。ランキング2位の選手とのポイント差により、残り2大会(4レース)を残し、今シーズンのチャンピオンを決めたのです。
●ルーキーイヤーを含め4度目の栄冠
ガイザー選手はスロベニア出身の25歳。モトクロス世界選手権には、2012年にデビューし、2015年にMX2(250ccクラス)の世界チャンピオンを獲得しています。
最高峰のMXGPでもMX2から昇格したルーキーイヤーの2016年に、いきなり世界王座を奪取したほか、2019年と2020年には2年連続で栄冠を獲得しており、MXGPの年間チャンピオンは今回で4度目となります。
まだ若い選手ながら、通算5度ものモトクロス世界選手権チャンピオンになっているとは、かなりの実力派ですね。
ガイザー選手は、レース後に以下のようなコメントを発表しています。
「(第16戦フィンランド大会は)ベストな走りではありませんでしたが、チャンピオン獲得という今日の目標を達成できました。
(MX2クラス、MXGPクラスあわせ)世界タイトルを5回も獲得できたことが信じられず、まだ実感できていません。
レース会場、そして日本からサポートしてくれたTeam HRCのみんなに感謝しています。恋人や世界中のファンにも感謝を送りたいです。
たくさんのファンが会場で応援してくれてうれしかったですし、感謝してもしきれません。今日は特別な日になりました。5回目の世界タイトルを獲得できてうれしいです」
早々に年間王者を決め、自身とホンダに栄光をもたらしたガイザー選手。2023年シーズンも、すばらしい活躍を期待したいものです。
(文:平塚 直樹)