■これまでに約1万4000組の親子が参加
ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」。今回は、小学生の時に「親子エンジン分解・組立教室」に参加した同社社員のストーリーです。
ヤマハ発動機の「親子エンジン分解・組立教室」は、本物のエンジンと向き合い、自らの手で分解、組立を体験しながら、エンジンの仕組みや原理、部品の名称やそれぞれの役割などを学ぶ教室です。
同社のボランティアグループ「おもしろエンジンラボ」によって2002年に始まった体験教室では、これまでに約1万4000組の親子がものづくりの体験をしてきたそうです(「おもしろエンジンラボ」が行う「エンジン分解組立教室」と「ウインドカー工作教室」の合計)。
2022年7月上旬に開かれた同教室で、小学生に指導をしているのは、今春入社したばかりの西城直人さん(ロボティクス事業部)です。西城さんは、小学校4年生の時に同教室に参加し、「メカへの興味を加速させてくれたこの活動に恩返しがしたい」と、入社早々「おもしろエンジンラボ」のメンバーに加わったそうです。西城さんは、「子どもたちに教える際、十数年ぶりにこのエンジンをバラしてみたのですが、大人になった今でも学びや気づきがあり、また楽しさも感じました」と、指導で気づきを得ながら、子どもたちと向き合っています。
入社2年目の小杉直さん(AM開発統括部)も、同教室の卒業生の1人。「4歳年上の兄と一緒に参加したのですが、もしかしたら足を引っ張っていただけかもしれません(笑)」と当時を振り返ります。
現在、小杉さんは、ヤマハ発動機の学生フォーミュラ支援業務に参加。西城さんとは異なる形で、未来のエンジニアの育成に貢献しています。小杉さんは、「私自身も、大学時代は学生フォーミュラに夢中になっていました。その経験を活かしながら、現在は弊社がサポートする静岡大学のチームに対し、さまざまな相談や助言などの支援を行っています」と語ります。
さらに、「学生たちとリアルで会える機会は多くないのですが、9月に開催される大会に向けて毎日のように連絡を取り合っています」と続けます。
この2人に共通するのは、子どもの頃の原体験がものづくりへの興味を育み、多感な成長期に「これだ」というテーマに出会ったことだそうです。その後、各領域で専門性を磨き、エンジニアを志すようになっています。西城さんはロボットの全方向移動、小杉さんはEVモーターの制御に学生時代から向き合い、今もその領域でものづくりに熱中しています。
20年ほど前から子どもたちの「理科・機械離れ」が社会課題としてクローズアップされ始めていて、同社の社員有志が「昔と今で、子どもたちの好奇心に大きな違いがあるとは思えない。違いがあるとすれば、それは体験する機会の差ではないか」という想いの元、スタートした「親子エンジン分解・組立教室」。
この2人の例からも分かるように、その想いは間違いではなく、ものづくりの現場を支える人材を生み出しているようです。
(塚田 勝弘)
【関連サイト】
おもしろエンジンラボ 親子エンジン分解・組立教室
https://global.yamaha-motor.com/jp/showroom/kids/engine-labo/