3月9日にトヨタ自動車の豊田章男社長がグローバルビジョンを発表しました。どのような車種を、いつ投入するといった具体的な話はありませんでしたが、2015年までにハイブリッドの新型車を約10車種投入してラインナップの充実を図るということでした。
会場には早速、その会見に合わせたかのようにプロトタイプが公開された、プリウス・スペースコンセプトが展示されていたので、それも10車種のうちの1台になるのでしょう。
ほかにはプラグインハイブリッドやEV、燃料電池車については並行して開発を進め、市場の状況を考慮しながら、随時投入できる体制を整えていきたいとのことでした。
また、取締役を27人から11人に大幅に削減して、より迅速に経営判断ができる体制を築くそうです。社長の意見を素早く、確実に伝えたいとの目的から、広報部を新たに社長直轄部署とすることも発表されました。
リコール問題の時などは社長が表に出てくるのが遅く、それが原因で話がもつれたりもしたので、この変更も効果があるでしょう。
2015年にはトヨタとレクサスで900万台を目指すという目標を述べてもいましたが、その直後には、多く売ることが目的ではなく、多くの人にトヨタ車を選んでもらい、笑顔になってもらうことが本当の目的と語っていたのが印象的でした。
リーマンショックや昨年のリコール問題などもあり、章男社長になってからトヨタは厳しい状況が続きましたが、ようやく巻き返しの体制が整ったという感じです。全体的には抽象的な内容が多かったのは事実ですが、お客様に喜んでもらえるクルマ作りを第一に考えるという、章男社長の熱い思いが感じられた会見でした。
(岡島裕二)