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■3代目のパトロールの車名をサファリへ変更
1980(昭和55)年6月6日、日産自動車からクロカン車「パトロール」の後継車となる「サファリ」がデビューしました。元祖のパトロールは1951年に登場しており、1961年の2代目を経て、3代目で車名を変更してサファリとなったのです。オフロード4WDのクロカン車からよりSUVの要素を強めたのが特徴です。
●もともとは警察予備隊で使う目的で開発
パトロールの起源は、1951年に自衛隊の前身である警察予備隊が使う制式車両の入札のため、各自動車メーカーが試作した小型4輪駆動車に遡ります。採用されたのは米国カイザー・ウィリス社と技術提携していた中日本重工業(現在の三菱重工のルーツのひとつ)の「三菱ジープ」でした。そのとき試作競争に参加した日産とトヨタの試作モデルを量産化したのが、「日産パトロール」と「トヨタ・ランドクルーザー」です。
そのため、パトロールは4L直6エンジンを搭載した頑強なオフロード4WDで、当時としては最強のクロカン車でした。市販化されましたが、レジャー用としての用途は少なく、官庁や地方自治体、林業や土木業などその用途は限られました。
●オフロードの強みを継承しながらも、乗用車的なSUV要素を強めた
サファリのスタイリングは、それまでのパトロールの武骨でボクシーなスタイルから、SUV色を強めたスマートなイメージに変貌。名称の変更も、そのスタイルの一新を象徴するためになされたものでした。
ボディタイプは3ドアショートボディ・FRPハードトップ(乗用車登録)と5ドアロングボディ・メタルトップ(貨物登録)。パトロールと同様に悪路走破性と耐久性を確保するため、車体はラダーフレーム+4輪リジット・リーフ式サスペンションの構成を踏襲。パワートレインは3.2L直6ディーゼルエンジンと4速MTの組み合わせで、駆動方式はパートタイム4WDが用意されました。これらは、先代のパトロールから受け継がれたものですが、海外仕様には2.8L直6 SOHCガソリンやATも用意されました。
日産初の本格的なSUVとしてデビューしたサファリは、その後も進化を続け、ライバルのトヨタ・ランドクルーザーや三菱パジェロとともに、世界のSUV市場を席巻するヒットモデルとなりました。
現在、パジェロは生産終了、サファリは海外で人気(海外ではパトロール)があるものの日本では販売中止、ランクルは納車待ちの大人気、と三者三様ですね。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかも知れません。
(Mr.ソラン)