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■トップが入れ替わるオープニングラップ
5月3日(火・祝)、4日(水・祝)に静岡県の富士スピードウェイで開催の2022 AUTOBACS SUPER GT第2戦「FAV HOTEL FUJI GT 450km RACE」。5月4日はその決勝レースが行われました。
この日の天候は気持ちのいいまでの晴天で、気温も20度と、この上ないレース観戦日和となりました。そんな決勝日の14時30分、4万人以上という来場者が見守る中で、450kmの決勝レースが2周のフォーメーションラップののちにスタートしました。
GT300クラスはスタートラップから、2番手スタートの10号車 TANAX GAINER GT-Rが、ポールポジションの61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTを執拗に攻め込み、コカ・コーラコーナーからヘアピンADVANコーナーまでにトップを奪います。
その後方からは96号車 K-tunes RC F GT3が追いついてきますが、SUBARU BRZ R&D SPORTは必死に抵抗しての2番手をキープします。
序盤の上位陣であるこの3台がトップ争いを続けていきます。しかし、14周を過ぎる頃になると、K-tunes RC F GT3がペースダウン。15周目には34号車 BUSOU raffinee GT-RがK-tunes RC F GT3を抜いて3番手にランクアップ!
この決勝レースは450kmというロングフォーマットとなっており、レース中のピット義務についてはこれまでと大きく変わっています。そのピット義務とは最低2回の給油。
とにかく早め早めに1回目のピットストップを済ませようというチームが現れます。1周目を終えると早くも5号車 マッハ車検 エアバスター MC86マッハ号が、さらに244号車 HACHI-ICHI GR Supra GTが2周目にピットインします。
また中段6位前後を戦っていた4号車 グッドスマイル 初音ミク AMGや、52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTも5周目にピットイン。
上位陣は20周を過ぎたあたりから最初のピット作業を行いました。トップのTANAX GAINER GT-R は30周目にピットイン、富田竜一郎選手から大草りき選手に交代。3番手のBUSOU raffinee GT-Rは31周目でピットイン、ドライバーも柳田真孝選手から井出有治選手に交代します。
BUSOU raffinee GT-RはTANAX GAINER GT-Rの前でピットアウトしますが、タイヤ4本交換のためにタイヤが温まり切らず、TANAX GAINER GT-Rに抜かれてしまいます。
上位陣がピット作業を終えると、スタート直後の1周目にピットインした5号車がポジションを上げてBUSOU raffinee GT-Rのすぐ後ろまで順位を上げてきています。
さらに4号車は、36周目にいち早く2回目のピット作業を行い、ピット義務をこの時点ですべて消化しました。
●アクシデントで2回の赤旗。時間切れでSCフィニッシュ!
GT300のタイミング的にはかなり後の方となる42周目に、SUBARU BRZ R&D SPORTが暫定トップでピットに入ります。作業時間46.7秒とまずまずのピットワークでピットアウトしていきますが、その横をTANAX GAINER GT-Rが通り過ぎ、BUSOU raffinee GT-Rの直前でコース復帰となります。
しかしSUBARU BRZ R&D SPORTはタイヤがすぐには温まらず、BUSOU raffinee GT-RにTGRコーナーでパスされてしまうと、ピットインを終えた中では3位というポジションとなってしまいます。
そうであっても、非常に接近したバトルであり、中盤の盛り上がりが始まっていくのであろうという雰囲気がよぎる中、GT500クラスの先頭が43周目に入った頃にGT300クラス車両にアクシデントが発生。
22号車 アールキューズ AMG GT3が、アドバンコーナーの進入で単独コースアウトからタイヤバリアに激突! すぐにFCY(フルコースイエロー)が出されますが、直後にSC(セーフティカー)導入へ。さらにコースサイドのタイヤバリア補修のために、レースは2019年以来の赤旗中断となりました。
16時25分にレースはSCランで再開され、リスタート。GT500クラスでは激しいトップ争いがなされていました。
GT500クラスが59周目に入ったとき、メインストレートで駆動系トラブルでスロー走行する50号車 Arnage MC86に、トップ争いのGT500クラスの車両3台が絡み、そのうちの1台が追突を避けようとしてコース左側、観客席側のガードレールに激突するクラッシュが発生。マシンが破損し、かなり広範囲にパーツが散らばりレースはふたたび赤旗中断となります。
心配されたドライバーの安否ですが、幸いにも大事にはいたらず、検査入院から翌日には退院しています。しかし観客席側のガードレールが破損したため、この修復作業が終わるまでは再スタートが出来ないこととなってしまいます。18時10分、SCランにより走行が再開されますが、レースの終了時間は18時20分、残り時間はSCランのまま消化されることとなりました。
そして時間切れとなったことで、SCフィニッシュとなります。
そんな大波乱の第2戦富士でしたが、GT300クラスの優勝は10号車 TANAX GAINER GT-Rとなり、2位には今年からチームを起ち上げての参戦となっている34号車 BUSOU raffinee GT-Rが入ります。ご覧いただいた通り、GT-Rの1、2フィニッシュとなります。
そして3位には61号車 SUBARU BRZ R&D SPORTが入り、また4位には11号車TANAX GAINER GT-Rとなり、予選に引き続き上位4台をダンロップ勢が独占することとなりました。
大クラッシュが連続で起こり、2度の赤旗からのSCフィニッシュと、なんとも過酷なレース展開となった第2戦富士。
給油回数の義務が、レース途中で変更となるなど賛否を呼ぶ結果とはなっております。またレース周回数が規定に満ちていないために、付与されるシリーズポイントはハーフポイントとなっています。
次戦は5月28日(土)、29日(日)に鈴鹿サーキットで開催される第3戦。300kmフォーマットで開催される次戦は、スプリントレースの様相も加味される展開となるのではないでしょうか?
【SUPER GT2022 第2戦 富士 GT300 決勝結果】
順位 ゼッケン 周回数 車名 ドライバー
優勝 10 58周 TANAX GAINER GT-R 富田竜一郎 大草りき 塩津佑介
2位 34 58周 BUSOU raffinee GT-R NISSAN GT-R NISMO GT3 柳田真孝 井出有治
3位 61 58周 SUBARU BRZ R&D SPORT 井口卓人 山内英輝
4位 11 58周 GAINER TANAX GT-R 安田裕信 石川京侍
5位 88 58周 Weibo Primez ランボルギーニ GT3 小暮卓史 元嶋佑弥
6位 96 58周 K-tunes RC F GT3 新田守男 高木真一
7位 56 58周 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R 藤波清斗 J.P.デ・オリベイラ
8位 2 58周 muta Racing GR86 GT 加藤寛規 堤優威 58
9位 52 58周 埼玉トヨペットGB GR Supra GT 川合孝汰 菅波冬悟
10位 360 58周 RUNUP RIVAUX GT-R 青木孝行 田中篤 柴田優作
11位 25 58周 HOPPY Schatz GR Supra 松井孝允 野中誠太
12位 87 58周 Bamboo Airways ランボルギーニ GT3 松浦孝亮 坂口夏月
13位 18 58周 UPGARAGE NSX GT3 小林崇志 太田格之進 58
14位 6 58周 Team LeMans Audi R8 LMS 片山義章 R.メルヒ・ムンタン 川端伸太朗
15位 65 58周 LEON PYRAMID AMG 蒲生尚弥 篠原拓朗
16位 4 57周 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口信輝 片岡龍也
17位 60 57周 Syntium LMcorsa GR Supra GT 吉本大樹 河野駿佑
18位 30 57周 apr GR86 GT 永井宏明 織戸学 平良響
19位 244 57周 HACHI-ICHI GR Supra GT 佐藤公哉 三宅淳詞
20位 20 57周 シェイドレーシング GR86 GT 平中克幸 清水英志郎
21位 48 56周 植毛ケーズフロンティア GT-R 井田太陽 田中優暉
22位 31 56周 apr GR SPORT PRIUS GT 嵯峨宏紀 中山友貴
23位 9 55周 PACIFIC hololive NAC Ferrari 木村武史 ケイ・コッツォリーノ
24位 5 54周 マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号 冨林勇佑 平木玲次
25位 50 54周 Arnage MC86 加納政樹 阪口良平 末廣武士
リタイア 22 37周 アールキューズ AMG GT3 和田久 城内政樹
リタイア 55 34周 ARTA NSX GT3 武藤英紀 木村偉織
リタイア 7 4周 Studie BMW M4 荒聖治 アウグスト・ファルフス 近藤翼
(写真:吉見 幸夫/文:松永 和浩)