ヤマハが原付サイズの新型EVスクーター「NEOS」を発表!欧州で3月より発売

■脱着式バッテリー搭載で航続距離は約37km

カーボンニュートラルの実現に向け、クルマはもちろん、バイクでも世界的な電動化の波が進んでいます。そんな中、ヤマハ発動機(以下、ヤマハ)では、原付一種サイズの新型EV(電動)スクーター「NEO’S(ネオス)」を欧州で3月に発売することを発表しました。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ホワイトがベースの車体色バージョン

着脱式バッテリーを搭載し、フル充電時の航続距離は約37kmを実現。最高出力3.4psのインホイールモーターを搭載する新しいシティコミューターであることなどを明らかにしました。

●欧州ではEVスクーターの需要拡大

ネオスは、スタイリッシュなボディと、EVならではの機敏で滑らかな走行が特徴の電動スクーターです。ヤマハによれば、欧州では、進入禁止などの都市制度の変化や駐車問題・渋滞などにより、4輪車通勤から2輪車通勤へ切り替える新規層が増加。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ネオスのフロントフェイス

また、従来の50ccスクーター利用者層がEVモデルにシフトしていることにより、「今後同クラスで、電動スクーターの需要が拡大することが予想される」といいます。

このモデルは、そんな背景から開発された電動スクーター市場への戦略機種。なお、欧州だけでなく、今後は順次アセアンでの発売も予定。製造は、ヤマハのグループ会社で、ベトナムにある「Yamaha Motor Vietnam Co., Ltd.」が担当します。

●新型インホイールモーター搭載

フロントカウルに装着された角目2灯ヘッドライトや、シンプルでスタイリッシュなボディが印象的なこのモデル。パワーユニットには、後輪に駆動伝達ロスが少ないダイレクト駆動方式のインホイールモーター「YIPU II」を採用します。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ネオスのインホイールモーター

ヤマハが過去に販売したEV「パッソル」や「EC-03」にも採用したYIPUをベースに、最新の技術で熟成したのがこのユニットです。

特徴は、ブラシレスモーターやリヤブレーキ、バッテリーや走行状況などを反映し出力制御するMCU(モーターコントロールユニット)、ハブなどをリヤアームと一体化したこと。ユニットをリムにボルトで締結しているため、タイヤ交換などでの整備性にも優れます。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ネオスのヘッドライト

なお、定格出力は2.3kW、最高出力は3.4psで、最大トルクは13.9kgf-mを発揮。専用開発した空冷ブラシレスモーターは低回転域で高いトルクを発揮し、市街地で機敏で滑らか、とっても静かな走行性を実現します。

●フル充電までの時間は約8時間

電源には、高出力を生み出す高エネルギー密度の50.4Vリチウムイオンバッテリーを採用。付属の専用充電器(ポータブル充電器)を使い、家庭用電源(AC220V、2極プラグ)から充電が可能です。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ネオスの着脱式バッテリー

フル充電までの時間は約8時間。バッテリーは取り外しも可能なため、車両に搭載した状態だけでなく、家の中などに持ち運んでの充電もできます。

また、満充電での航続距離は約37kmを実現。別売のセカンドバッテリーと併用すれば、約68kmまで航続距離を伸ばすことが可能です。

ほかにも、車体には、強度・剛性バランスを備える専用設計のバックボーン型フレームを採用。10本スポークの新作アルミダイキャスト製フロントホイールなども装備します。

ヤマハがEVスクーターの新型ネオスを欧州で発売
ヤマハ・E-Vino

このモデルについては、国内販売に関するアナウンスは今のところありません。日本の法規では、原付一種の定格出力は0.6KW以下と定められていますから、もしネオスを日本で発売する場合は、欧州仕様の定格出力2.3kWからダウンさせる必要がありそうですね。

ちなみに、現在、ヤマハの日本市場向け原付一種スクーターは「E-Vino(E-ビーノ)」のみ。今後、EVバイク需要が日本でも盛り上がってくれば、こういったモデルの国内投入もありうるかもしれませんね。

なお、ネオス欧州仕様の価格は2999ユーロ(約38万4000円)です。

(文:平塚 直樹

この記事の著者

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平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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