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今、ディスプレイオーディオに注目が集まっています。中でもパイオニアのカロッツェリアから発売されている「DMH-SF700」が、その存在感を際立たせています。2020年の5月に発売された機種ですが、その実力の高さから今もなお人気商品のひとつです。いっぽうディスプレイオーディオはまだまだ新しいカーAV機器。「なにができるの?」「楽しさや使い方がよく分からない」という人も多いはず。そこでカーAV評論家の会田肇さんに、「ディスプレイオーディオってなに?」ということからいまイチオシのディスプレイオーディオ「カロッツェリアDMH-SF700」の魅力を語ってもらいましょう。
■ディスプレイオーディオとは画面を備えたオーディオユニット
そもそもディスプレイオーディオとは、その名の通り、ディスプレイを備えたオーディオユニットのことを指します。
「DMH-SF700」の場合、最初から本体に備わっていてそれだけで働くオーディオ機能はFM/AMチューナーとそれを再生するためのアンプのみ。代わりに多彩なインターフェースがあり、USBメモリーやHDMIでストリーミングメディアプレーヤーを接続したり、Bluetoothでオーディオプレーヤーを繋いだりして、多彩なソースが楽しめるというわけです。
さらに、一見すると市販カーナビのようにディスプレイを持っていますが、カーナビ機能は装備していません。「じゃあカーナビはどうやって使うの?」という疑問が湧きますよね。答えは「スマートフォン(以下スマホ)を繋ぐ」です。スマホのナビを大画面のディスプレイに表示することで、安全で使い勝手のよいドライブが可能になるからです。
●9インチの大画面をフローティングさせたのがポイント
せっかく装着する画面は大きい方がいいけれど、車内の取り付けスペースは限られています。「DMH-SF700」は9インチというディスプレイオーディオとしては異例なまでの大画面を備えながら、標準的なオーディオの取り付けスペースである1DINスペース(一般的なカーオーディオ設置場所の基準:幅180mm×高さ50mm)に装着できることも大きな特徴です。
そのタネ明かしは、ディスプレイをダッシュボードから浮いたように取り付ける、いわゆるフローティング化。これにより、標準的な7インチの1.7倍もの大画面化を実現。しかもディスプレイはHD解像度(1280×720ピクセル)なので、大画面にふさわしい高精細かつ鮮明な画像を表示します。
ちなみにこのフローティング化、見た目のかっこよさはもちろんなのですが、装着の自由度が増すのもポイント。ダッシュボードにはエアコン関連や各種スイッチがあったり、ひさし状になっていたりと、ダッシュボードには車種により凹凸がありがちですが、これを避けて装着できる場合も多く、ディスプレイ部分を上下左右に微調整させることもできるので、「DMH-SF700」は広い車種への取り付けが可能になっているのです。
●使い慣れたスマホの音声コマンドをそのまま使える
ディスプレイオーディオは、基本的にはスマホを繋いで使用することを前提としています。
「DMH-SF700」の場合、iPhoneは「Apple CarPlay」、アンドロイドでは「Android Auto」を使用します。どちらも「DMH-SF700」にスマホを接続すると自動で起動し、普段使っているスマホアプリがディスプレイオーディオ上でコントロールできるようになります。SiriアイズフリーやGoogleアシスタントなどの音声認識も使えるため、電話をかけるにもスマホ内の連絡先が呼び出せますし、スマートフォン内にある音楽やナビアプリをディスプレイオーディオ上から操作して使用することも可能です。
地図アプリ「Google Maps」を使ってカーナビを試してみましょう。このアプリを使うことの最大のメリットは、目的地の検索がスマホと同じように曖昧なキーワードにも柔軟に対応してくれることと、地図更新の手間が一切不要であることです。
たとえば「御殿場プレミアムアウトレット」を目的地に設定したい時に、正確な名称がわからず「御殿場のアウトレット」と話しても候補をリストアップしてくれます。食事をしたい時も「お腹空いた」「近くのイタリアン」などと話せばOK。車載カーナビの多くは、目的地をメニューから順に絞り込んでいきますが、音声によるコマンドを発話するだけで対象が絞り込まれるのはとても便利ですね。
カーナビとして使うなら「Google Maps」以外のアプリも使ってみてはいかがでしょう。「DMH-SF700」の9インチ大画面によって、ルートガイドの分かりやすさが向上します。これが際立ったのが、「Yahoo!カーナビ」を使ったとき。複雑な分岐点でも交差点拡大図を使って誘導しますし、高速道路でも施設リストを表示して案内します。HD画質の高精細ディスプレイは道路や地図上のアイコンも鮮明に表示するので、使い勝手や安心感も高まっていると感じました。
●さらにWi-Fiルーターを組み合わせると無敵のデッキが完成!
「DMH-SF700」の魅力はそれだけにとどまりません。本機自体がWebブラウザやAmazon Alexaを搭載しているので、Wi-Fiと組み合わせればスマホなしでYouTubeが直接楽しめたり、アレクサによる音声コマンドが使えたりするのです。
問題は、どうやってWi-Fi環境を確保するかですが、オススメなのが、カロッツェリアのWi-Fiルーター「DCT-WR100D」を使う方法。移動する車内でdocomoのLTE高速データ通信が制限無しの使い放題になるので、スマホのテザリングのように今月の「ギガ(通信容量)」を気にすることなく、Wi-Fiを存分に使うことができます。
さらに「DMH-SF700」はHDMI入力も備えているので、たとえばAmazon Fire TV Stickなどを接続すると多彩なコンテンツを楽しむことができます。Amazon Primeや Netflixといった映像と音楽のストリーミングサービスを、9インチの大画面とクルマのスピーカーで大迫力で楽しめるわけです。しかもFire TV Stick も「DCT-WR100D」と接続すればギガを気にする必要はありません。ドライブの楽しみ方がぐんと広がることでしょう。
なお「DMH-SF700」は、パイオニアのディスプレイオーディオ用スマホアプリ「CarAVAssist」と連携でき、画面のカスタマイズや内蔵ブラウザのブックマーク登録などを、クルマに乗っていないときに行うことができますし、ディスプレイオーディオのバージョンアップに利用することも可能です。
●ハイレゾ音源再生にも対応。カーAVとの付き合い方が変わる!
最後の紹介となりましたが、ディスプレイオーディオを装着する最大限の目的のひとつと言ってもいい、「いい音」でいつも聴いている音楽を車内で楽しむための音質へのこだわりも「DMH-SF700」は万全です。
これまで多くのカーオーディオが「ハイレゾ音源対応」としながら“ハイレゾをとりあえず再生”するだけでしたが、「DMH-SF700」は聴感上で判断できるレベルでのハイレゾ音源再生能力を有していて、さらにハイレゾWireless(LDAC)も再生可能、フルスペックで対応できるのです。しかも、「DMH-SF700」はタイムアライメントや13バンドグラフィックイコライザーによって、好みの音質設定も高精度に行えます
内蔵アンプはその音質が素晴らしく良いことも見逃せません。いつも聴いているスマホ内の音楽を「DMH-SF700」で聴いてみましたが、ビットレートはそれほど高くないのに、極めてリアリティに富んだサウンドを楽しむことができました。試乗車にインストールしてあったスピーカーはエントリークラスのものでしたが、それでも十分納得いくレベルにあったのです。これはMP3などの圧縮音源を高音質化する「マスターサウンドリバイブ」が効いているようで、YouTubeの再生にも効果を発揮します。外部パワーアンプやサブウーファーなどを追加することもできます。音にこだわる人もこれで納得がいくことでしょう。
システムアップで言えば、「バックカメラユニットND-BC8II」の追加や、車両純正バックカメラとの接続(変換ケーブルまたはアダプターが必要)で、リバース連動のバックカメラモニターとしての発展も可能です。
●今使ってるスマホの機能を120%引き出して使おう
スマホと「DMH-SF700」の組み合わせは、これまでのカーAVの付き合い方を大きく変えるものです。これからの季節、様々なイベントが全国各地で繰り広げられるでしょう。スマホならそんなイベントの検索も簡単。今まで使っているスマホが車載用として、大きな価値を生み出せるのも「DMH-SF700」の魅力なのです。
(文:会田肇/写真:前田惠介)
【関連リンク】
・カロッツェリア「DMH-SF700」販売サイト(Amazon)
・カロッツェリア「DMH-SF700」製品紹介サイト(Pioneer)
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