ヤマハ発動機による「防災スタイルの新提案」は、発電機の平時における定期的な動作確認の重要性を強調

■大型台風の通過時などに「発電機が動かない、動かせない」という問い合わせが増加

ヤマハ発動機の広報グループが発信している「ニュースレター」。オートバイや電動アシスト自転車、マリン製品など、誰もが知るヤマハ発動機の製品だけでなく、同社の幅広い分野がテーマになっています。

今回の話題は「防災スタイルの新提案」。以前お伝えしたように「危機管理産業展2021(RISCON)」に出展された際のエピソードが中心になっています。

ヤマハ発動機 
危機管理産業展に出展された発電機のコンセプトモデル

同グループは、「遊んで 備える PLAY SURVIVE」を掲げ、この「RISCON」に出展。

発電機をはじめ、防災仕様の二輪車や水上バイクなどのコンセプトモデルを展示し、平時に楽しみ、有事に役立つ、自主防災や地区防災の新たなスタイルを提案。

ヤマハモーターパワープロダクツ 国内営業部の原田靖也さん(写真左)は「東日本大震災が発生した2011年以降、防災目的で発電機を購入されるお客さまが増え、『発電機を購入しましたが、まだ一度も箱から出していません。いざという時にきちんと動きますか?』というような質問や相談が入るようになりました。プロユースとは異なり、防災目的で購入された発電機は長期間にわたり格納されているケースが多く、平時の出番はあまり多くありません。大きな台風などが通過すると、動かないなどのお問い合わせをいただくことがあります」と、発電機の購入後の事情を語っています。

また、事業企画部の萩原紹愛さん(写真右)は、「いざという時に、しっかり役立てていただくためには、日々の暮らしの中で防災機材に親しむ機会をつくり、点検や整備、さらには正しく安全に操作するための知識やスキルを習得していただくことが一番です」と続けています。

さらに、「その接点を、楽しむことに置き換えたのがPLAY SURVIVEという提案です。発電機なら、地域のイベントやお祭りなどで活用してもらい、近所の皆さんが揃って扱い方を経験しながら、正しく動くことを確認する。そういう願いを込めて提案させていただいています」と続けています。

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「PLAY SURVIVE」は、地域の人が集まる防災倉庫をイメージ

「RISCON」のブースには、そのメッセージを視覚化した遊び心あふれる防災倉庫も展示。発電機をはじめ、防災コミューターや洪水救難艇などが格納された20フィートのコンテナを開くと、地域の人々が集まるコミュニケーション空間に生まれ変わるという仕掛けになっていました。

来場者からは「整備や点検の作業は、どうしても煩わしくなりがち。楽しみながら解決しようという提案がヤマハ発動機らしく、とてもユニーク」といった声もあったそうです。

出展された発電機は、停電時の暗がりでも操作がしやすいように、蓄光塗料を使った特別仕様になっています。

「蓄光のためには、防災倉庫の外に出さなくてはなりません。実用的な機能であるとともに、時どき外に出して平時にもお使いください、というメッセージも込めています。まずは箱から出して動かしてもらう。そのきっかけになれば嬉しいですね」と萩原さんは、時々箱から出して動かす重要性を周知しています。

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コンセプトモデルの救難仕様(水上バイク)

塚田 勝弘

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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