■強心臓のQ3
見た目はSUV、だけど中身はスポーツカー。アウディRS Q3スポーツバックをひとことでいうならば、ボクはそう表現する。
排気量2.5Lの5気筒ターボンジンは、最高出力400ps。“とんでもなく速い”と言われた三菱ランサーエボリューションの最終モデルが313psで、そこから3割も増しているのだから、ちょっとした……どころかかなり武闘派のスポーカーの水準である。
ピュアスポーツカーのトヨタ・スープラ(387ps)よりもハイパワーなくらいなのだから。
見た目はちょっと派手で、プロポーションはテールゲートが大きく傾いた今どきのクーペスタイルだけど、とはいえこのクルマを見てそんな強心臓を備えていると思う人はほんのわずかのクルマ好きだけだろう。
でも、それがいいのだ。そんな「羊の皮を被った狼」感がたまらない。
「アウディってスポーツカーのイメージがあったんだけど、SUVもあるんだね。」
●しっかりと過激
そんな彼女の素直な言葉に「今やアウディはフルラインSUVメーカーだよ。Q2からQ3、Q5そして……」と言いかけて、飲み込んだ。
だって、RS Q3スポーツバックのオーナーになったボクにはどうでもいいことだから。むしろ、このRS Q3スポーツバックみたいにSUVにもしっかりと過激なモデルを用意してくれていることが嬉しいと思う。ある意味、これも立派なスポーツカーだ。
過激なSUVといえば、メルセデス・ベンツの「GLA 45S」なんかもあって421psとさらに凄いことになっているけれど、いっぽうで、日本車にはこういう過激なSUVがないのが不思議で仕方ない。
レクサスあたりはやってもいいと思うんだけどね。たとえば「レクサスNX F」とか。(つづく)