■2025年までに中国にe-POWERが搭載された6モデルを投入
2021年9月29日、日産自動車は、中国市場初の「e-POWER」搭載モデルである「e-POWERシルフィ」を公開しました。
世界的に環境規制が厳しくなる中、世界最大市場の同国ではNew Energy Vehicle(NEV)規制があり、国や地域によって電動化の中身は異なるものの、電動化の動きは加速せざるを得ない状況にあります。シリーズハイブリッドの1種で、100%電動駆動の「e-POWER」は、燃料さえ補給できれば航続距離を気にする必要はありません。また、コスト面でも有利といわれています。
電動駆動のe-POWERは、スムーズな走りや高い静粛性が特徴で、低速域からの力強い発進が美点。今回公開されたのは、カモフラージュされたシルフィe-POWERで、300Nmの分厚いトルクと3.9L/100kmという低燃費を両立し、5つのドライビングモードによって、走りや周辺環境に合わせたフレキシブルな走行が可能です。
なお、日本向けのノートe-POWERのトルクは280Nm、セレナe-POWERは、320Nmとなっています。
東風汽車の副総裁兼・東風日産乗用車の山口 武総経理は、「e-POWERシルフィの発表は、日産の電動化ビジョンと中国が目指すカーボンニュートラルの実現に向けて、今後さらに同市場へ最先端技術を投入していく決意と覚悟を表しています。e-POWERは、電動化の時代に高品質のモビリティを求める中国のユーザーに向けて新しい運転体験を提供します」とコメントしています。
日産は、2050年までに事業活動と製品のライフサイクル全体においてカーボンニュートラルを実現するというグローバルな目標を掲げていて、その達成にも貢献するとしています。
さらに、2030年代早期より、主要市場に投入する新型車の全てを電動車両とすることを目指し、中国では2025年までにe-POWERが搭載された6モデルの投入を計画。今回のシルフィは、その第1弾になります。
なお、4代目シルフィは、2019年に同国の上海モーターショーで披露されています。今まで同国向けにe-POWERが導入されていなかったのは意外ですが、シルフィをきっかけに存在感をどれだけ高められるか注目です。
(塚田勝弘)