日産とドコモが自動運転「レベル2」相当の自動運転車両を使ったオンデマンド配車サービスの実証実験を開始

■ドコモの「AI運行バス」を組み合わせた「MaaS」の実証実験

ここ数年、「CASE」や「MaaS」というキーワードが自動車業界で使われています。最近は、電動化の「E」が注目を集めていますが、コネクティッドや自動運転、カーシェアリングとサービス、そして多彩な交通公共機関などを組み合わせ、より快適で便利な移動を目指す「MaaS」も100年に一度といわれる自動車業界の大変革には欠かせないキーワードです。

日産自動車
交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」とAI(人工知能)を活用したオンデマンド交通システム「AI運行バス」を組み合わせて実証実験を行う

2021年7月19日、日産自動車NTTドコモは、横浜みなとみらい、中華街エリアにおいて、自動運転「SAEレベル2」相当である自動運転車両を使った、オンデマンド配車サービスの実証実験を2021年9月21日からスタートします。これに合わせて、同実証実験に参加する一般モニター約200名を同日からインターネットで募集します。

両社は、バス路線の廃止など、交通公共機関の縮小、さらに少子高齢化に伴う交通公共機関のドライバー不足など、地域社会が抱える交通サービスの課題解決に向けて、両社の持つ最新技術を活かし、自動運転サービスの実証実験を共同で実施するものです。

この実証実験は、自動運転車両を使った交通サービス「Easy Ride(イージーライド)」とAI(人工知能)を活用したオンデマンド交通システム「AI運行バス」を組み合わせて行われます。

進化した日産の自動運転車両と、今回新たに自動運転車両の配車に対応したドコモの「AI運行バス」を組み合わせることで、将来の完全自動運転による交通サービスをイメージさせる最新技術やサービスを実際に一般モニターに体験してもらい、その実用性を検証することが目的。

乗車後に実施される一般モニター向けアンケートは、乗降時や乗車中の体験についての評価や周辺店舗と連動したサービスの利用状況、実用化した場合の想定利用価格などについて盛り込まれるそう。アンケート結果は、実証実験を通じて得られた走行データや配車状況データなどと合わせて、さらなるサービス開発や今後の実証実験に活用する予定としています。

日産自動車 ドコモ
実証実験の実施エリア

「オンデマンド配車サービス」乗降ポイントは、「Easy Ride」がこれまで実施してきた実証実験での乗降ポイントから、自動運転車両が停車し、乗車、降車が行える乗降ポイントを追加。計23ヵ所に拡大し、23か所の乗降ポイントの間を自動運転車両によって自由に往来することが可能。配車予約は、ドコモは同実証実験に向けて、「AI運行バス」の自動運転車両、EVへの対応を実施し、具体的には自動運転時のドアの開閉との連携や、車両の電池残量に考慮された配車制御が新たに実装されています。

また、配車予約では、行きたい場所を地図から直接指定する以外に、ショッピングや食事、観光などのカテゴリから目的地を選択することもできます。一般モニターの登録は、下記のウェブサイトから可能になっています。

塚田勝弘

【関連リンク】

日産、ドコモの「オンデマンド配車サービスの実証実験」
https://www.easyride-aibus.jp/entry/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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